2分でわかるアメリカ

2015/08/07「うちの社長はいくらもらっているか」

パリ経済学校のトマ・ピケティ教授は、今年1月下旬の日本での講演の中で、持てるものと持たざるものの格差が無慈悲にも拡大していると述べました。また、ピケティ氏は、著書「21世紀の資本」の中で、日本では1990年代はじめから所得不平等度が着実に上昇していると指摘しましたが、アメリカや他の先進国と比べ目立ったものではないとの見解を示しました。日経新聞が1億円以上の報酬を受け取る社長と企業の特集を組むほど日本でも社長の高額報酬が話題になっていますが、アメリカほど極端ではありません。

エコノミック・ポリシィ・インスティテュートが去年発表した報告書によりますと、15年前のアメリカの社長の報酬は従業員平均の約20倍でしたが、2013年は300倍でした。社員の平均年収が500万円の会社の社長の年収は15億円になる計算です。凄すぎる差!

「社長はもらいすぎではないか」、とアメリカでも当然批判の声があります。こうした背景があり、アメリカの証券取引委員会(SEC)は5日、株式を公開しているほとんどの企業に対し、社長と従業員の年収格差の公表を義務づける新たなルールを賛成多数で決めました。新しいルールは2017年に導入され、2018年に発表する決算報告の中に含めることが求められます。

「社長の報酬が低い企業は恥をかく」などの反対意見が多く、共和党が導入に反対していました。このため、決まった新ルールは当初案から大幅に変更され、「骨抜き」になっています。ただ、業界をリードする企業が公表する数字が、その業界のベンチマークになるなど、影響がありそうです。共和党だけではなく、大企業のほとんどが導入に反対していました。

日本の上場企業のルールは、アメリカを手本にしています。何年か後に、日本でも義務付けられるかもしれません。

 
 [August 06 2015]  No 031843222

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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