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2015/08/05プエルトリコ債は誰が持っているのか

アメリカ最大の自治領であるプエルトリコがデフォルト(債務不履行)に陥りました。自治領になって117年、はじめてのデフォルトです。プエルトリコの政府系金融機関などによりますと、1日が返済期限だった5800万ドル(約72億5000万円)の債務のうち、62万8000ドル(約7850万円)しか返済しなかったことを明らかにしました。返すお金がなかったからです。

経済の低迷で財政が悪化したプエルトリコは今年6月、総額720億ドル(約9兆円)にのぼる債務の返済が難しくなったことを明らかにし、債権者に対し返済の延期や減額に応じるよう求めました。しかし、交渉は進みませんでした。今後、期限を迎える債務についても返済されない可能性が高いと予想されます。

ギリシャ危機の記憶が新しい中で、プエルトリコがデフォルトに陥ったため、欧米の主要メディアが大きく報じました。ただ、ギリシャとは状況が異なります。まず、プエルトリコは、グアムやサイパンと同様にアメリカの自治領であり、国家ではないということです。さらに、外国人が国債の多くを保有しているギリシャに対し、プエルトリコが発行する債券の保有者はアメリカ国内にいます。

ギリシャというよりも、おととし破綻したデトロイト市の財政破たんに近いと言えます。ただ、プエルトリコなど自治領はアメリカの連邦破産法が適用されないため、問題を複雑にしています。

プエルトリコ債は誰が保有しているのか。主要な保有者はアメリカのミューチュアル・ファンドです。かつてプエルトリコ債は投資適格の格付けを持ち、税制面での優遇措置があり、さらに高い利回りがついていたことから、多くのミューチュアル・ファンドに組み込まれました。格付けは投資不適格、もしくはジャンク債に引き下げられていて、今後影響が広がることが懸念されています。

前日のニューヨーク株式相場は、プエルトリコ危機が材料の一部になり下落しました。デフォルトが表面化したのは前日の取引終了後。今朝の株式相場を見る限り、ウォール街全体への影響は限定的のようですが、今後の行方次第では「爆弾」になる可能性があります。プエルトリコの失業率は本土のほぼ倍。職を求めて本土に移る若者や家族連れが少なくありません。財政が一段と悪化する可能性が指摘されています。

 
 [August 04 2015]  No 031843220

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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