2分でわかるアメリカ

2015/07/28資源国カナダの通貨は安いか高いか

週末は家族とカナダのバンクーバーで過ごしました。大英帝国時代の名残でイギリスの影響が残る街並み、ただ、アメリカとの国境までクルマで30分、シアトルまでは3時間と近いため、シドニーやオークランドと比べるとアメリカの影響を強く感じました。

滞在中はあいにくの雨で、多くの時間を屋内で過ごしました。買い物です。スーパーマーケット、ドラッグストア、ファッションまで幅広い店舗を見て回ったのですが、ほとんどの商品がアメリカとほぼ同じ数字になっていました。つまり、1米ドルは1加ドルで設定されていました。

例えば、娘が欲しがっていたアメリカのブランド、マイケル・コースのバッグは298加ドルでした。アメリカの価格は298米ドル。現在のレートは、1加ドル=0.77米ドルですので、消費税に相当するセールスタックス(カナダではGST)を含めてもカナダの方が2割強安くなっています。カナダのブランドであるルルレモンも同様でした。

カナダドルの対ドル相場は去年始めごろまでパリティ(1対1)で推移していました。しかし、原油や銅のコモディティ相場の下げに連動する形で、下落基調が続いています。来年にかけてカナダドルの対ドル相場は1加ドル=0.74米ドルまで下げるとの見方があります。通貨安を受けて、商品の価格がいずれ改定されるのではないかと予想しますが、現在はそのままで、アメリカ人にとっては「買い物天国」の状態になっています。知人のカナダ人弁護士と食事をしましたが、「カナダドルは資源相場次第」と言っていました。

モノが安いか高いか。すべては外国為替相場が影響します。カナダドルの対円相場は95円前後です。このレートで計算すると、日本人にとってカナダの物価はやや高く感じるかもしれません。円が実態より大幅に安くなっているからだと思います。

ところで、バンクーバーの空港では、アメリカへの入国手続きがありました。飛行機は国内線扱いで、ロサンゼルスに到着後は税関の検査がありませんでした。北米自由貿易協定(NAFTA)により米加間の関税のほとんどは撤廃されています。貿易の完全自由化とはこういうことかと実感しました。明日28日からハワイでTPP閣僚会合が始まりますが、いずれ日米間も米加間に近い状態になるかもしれません。時間がかなりかかるとは思いますが。

 
 [July 27 2015]  No 031843214

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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