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2015/07/18「お金持ちの掟92」キーウィのお金持ちは投資家

ニュージーランド(キーウィ)はかつて「egalitarian paradise(平等主義パラダイス)」と呼ばれていました。1940年代以降に「格差根絶」を掲げ、すべての国民に公平に富が分配されることを目指しました。

去年12月はじめに発表されたOECDの報告書がニュージーランドで大きな議論を呼びました。ニュージーランドが過去20年で格差が大幅に広がり、所得額上位5%が全所得の40%を占めているとの報告。格差が経済成長に与える影響が世界で最も高いと指摘されました。

フェアファックス・メディア傘下のStuffは今年1月、ニュージーランドの農場が世界の富豪の逃避地になっていると報じました。複数のロシアのビリオネアー、アメリカの映画監督ジェームス・キャメロン、カナダの歌手シャナイア・トウェイン、ヘッジファンド・マネジャーをはじめ多くのビリオネアーが農場や大型ヨットを相次いで買い、格差拡大に影響していると解説しました。

ニュージーランド人のお金持ちは、過去2、3年で個人資産を大きく増やしました。National Business Review(NBR)がまとめた2014年版富豪リストによりますと、製紙業を中心とするレイノルズ・グループを率いるハート・グラエム氏が、投資と不動産で個人資産を70億NZドル(約5670億円)に増やし個人資産額トップに輝きました。

NBR富豪リスト2位は投資家のリチャード・チャンドラー氏。3位はエネルギー分野に特化した投資家トッド・ファミリー、4位はワインと不動産投資のアーセッグ・ファミリー、5位は投資家クリストファー・チャンドラー氏。6位以下も投資家もしくは不動産関係者が続きます。外国為替取引、銀行家出身のジョン・キー首相もかつて富豪リストの上位にランクされました。

関係が深い隣国のオーストラリアと同様に、富豪の多くは、アメリカ、イギリス、そしてシンガポールでの活動が目立ちます。ただ、オーストラリアの富豪は、資源、メディア、エンターテインメントなど業種が幅広いのに対し、キーウィは投資業が突出しています。

欧米やロシアのビリオネアーがニュージーランドの広い範囲に投資しているほか、最近では中国のお金持ちが最大都市オークランドの不動産を買い漁っています。それらの投資が不動産相場を押し上げ、キーウィの富豪の個人資産を引き上げる結果になっているように思います。「平等主義パラダイス」から程遠い状況になっています。

 
 [July 17 2015]  No 031843208

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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