2分でわかるアメリカ

2015/07/17NZドルと豪ドル

ロサンゼルスに先ほど戻りました。デルタ航空16便は満席でした。出発前に気がついたのですが、シドニー発ロサンゼルス行きの便が非常に多い。アメリカとの人の交流が活発なことがわかります。

オーストラリアとニュージーランドに滞在しましたが、いずれの国でもテレビの報道番組では、イギリスとアメリカ発のニュースが非常に目立ちました。ドラマはイギリスのものが多く、上映される映画はハリウッド一色。ファッションはカリフォルニアを非常に意識していました。法律が類似していて、同じ言葉を話すイギリスとアメリカは、2つのオセアニア国にとって幅広い分野で近い存在であることを実感しました。

貿易では、2つの国は、アメリカのほか、日本とも密接につながっていました。しかし、過去20年で、日米から中国、そしてASEAN諸国へ大きくシフトしました。シドニーとオークランドの中心部では、いずれも中国人の存在感の高さに驚かされました。

滞在中、豪ドルとNZドルの下落基調が鮮明でした。中国の株式相場が不安定になったこと、ギリシャ情勢などが影響してリスク回避が強まったことが背景の1つです。ただ、2つの通貨は少し異なる動きを示しました。

豪ドルは、中国の株式相場が安定すると、値を戻しました。しかし、NZドルは安いままでした。これは、オーストラリアの主力輸出品が鉄鋼石をはじめとする天然資源で、輸出に占める中国のシェアが30%と高いことが背景のひとつ。さらに、ファンダメンタルズがオーストラリアの方が良好であることが影響していると思います。

ニュージーランドの最大都市オークランドは、シドニーと比べ規模が小さいので単純比較はできませんが、活気がありませんでした。レストランは空いていて、混んでいるのはファーストフード店のみ。ホームレスが目につきました。主力輸出産品の乳製品の価格が下がり続けていることもNZドルの圧力となっています。

物価はどうか。2つの都市は似ていました。例えばコカコーラは4ドル。日本のカップヌードルは5ドル。タバコは20〜25ドル。ただし、シドニーは豪ドルで、オークランドはNZドル。2つの通貨はかつてパリティ(1対1)でしたが、いまでは1豪ドル=1.1NZドルで取引されています。大雑把にいうと、オーストラリアよりニュージーランドの物価が1割ほど安い計算です。

ANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)は、最新のレポートの中で、豪ドルの対NZドル相場が1.2に向かうリスクが 高まっているとコメントしました。また、豪ドルは対ドルで年末までに0.73まで、対円では 89円10銭まで下落すると予想しました。一方、シティバンクは、NZドルが戻っても限定的、対ドル相場は今年9月末までに0.65、12月末までに0.64まで下落すると顧客向けメモでコメントしました。豪ドルとNZドルがいずれもゆるやかに下落するとの見方が優勢で、NZドルの下落率がやや高いという見方が多いです。


[July 16 2015]  No 031843207

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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