2分でわかるアメリカ

2015/07/15NZドルを動かす組合

ニュージーランド最大の都市オークランドのシンボル、スカイタワーからビクトリア・ストリートを東へ2、3分歩くとプリンス・ストリートにぶつかります。左側の2件目の10階建ての白いビル。Fonterra(フォンテラ)の本社です。ここが主催するバーチャルなオークションが、ニュージーランドドル相場を動かすケースが増えています。

酪農が盛んなニュージーランドの3つの協同組合が国際的な競争力を強化するために2001年7月に合併した組合がフォンテラ。日本の農協に形態が似ています。約1万の酪農家が加盟、ニュージーランド国内で約160億リットルの生乳を生産しています。海外にも積極的に進出、ニュージーランド証券取引所にも上場しています。

フォンテラは、月に2回のペースで乳製品の国際オークションを主催します。Global Daily Trade(グローバル・デイリー・トレード)と呼ばれる電子オークションで、フォンテラのほか、アメリカやヨーロッパなど合わせてセラー9社が参加、バイヤーは500を超えます。バターやスキム・ミルク・パウダーなど8つの乳製品を扱います。前回のオークションとの価格を比較したGDT価格指数が3月17日のオークションから8回連続で低下しました。ニュージーランドドルが軟調な背景の1つになっています。

通貨を左右するほど影響力があるフォンテラですが、オークランドのスーパーマーケットが扱うフォンテラのブランドAnchor(アンカー)の乳製品は意外に少なかったので拍子抜けしました。もう一つ驚いたのは、乳製品の種類が意外に少なく、価格が安くないことです。アメリカの方が、種類が豊富で安く買えます。「美味しいから」と知人に言われ、牛乳を飲んでみましたが、「普通」でした。

ニュージーランド統計局によりますと、GDPに占めるサービス産業のウェイトは69.7%、これに対し酪農を含めた農林水産業は6.1%しかありません。これは「先進国の特徴」と言えます。ただ、輸出品目をみると酪農品が全体の約30%を占め、ニュージーランドドル相場に影響する背景になっています。また、最大の輸出先が中国で、中国経済に対して相場が敏感なことが説明できます。

オークランド時間の15日にオークションが実施されます。

 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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