2分でわかるアメリカ

2015/06/24もの言うテイラー、聞くアップル

ロサンゼルスに住んでいる人なら誰でも知っている102.7FM。KIIS FM(キスFM)というヒット曲を中心に流すローカルで人気ナンバーワンのFM局です。クルマで時々聴いているのですが、非常に高い頻度で流れる曲があります。テイラー・スウィフトの「Shake It Off」。若い女性の気持ちを歌った曲ですが、とにかく良く流れます。

テイラー・スウィフトの「Shake It Off」を含んだアルバム「1989」はこれまでに490万枚売れました。デジタル時代のいま、この数字は「メガヒット」を意味します。4枚目のシングル「Bad Blood」はビルボードの最新チャートでナンバーワンにランクされました。テイラー・スウィフトのツイッターのフォロワーは5900万人。凄い!アメリカだけではなく、世界でいま最も売れているアーティスト。

その大物アーティストが先週末、アップルへ向けた手紙をインターネット上で公開しました。アップルが開始した定額の音楽配信サービス(Apple Music)について、3ヶ月間の無料お試し期間にアーティストや作曲家に印税を支払わないことに抗議、自分の曲の提供を停止するという内容でした。

テイラー・スウィフトは去年、類似した理由で音楽配信のSpotifyから曲提供を取りやめ話題を集めました。今回も、これで終わりかと思っていたら、続きがありました。アップルのソフトウェアとサービスの責任者であるエディー・キュー氏が、テイラー・スウィフトの要望を受け入れ、無料期間も印税を支払うとツイッターでつぶやいたのです。いくら印税をはらうのかは不明のままですが。

アップルはiPhoneだけで、年間に1000億ドル(約12兆5000万円)の売上高があります。これに対して、Apple Musicの全体の売上高に占めるシェアはごくわずか。音楽業界の大物と闘うより、譲歩する選択をしたようです。

テイラー・スウィフトの「スターパワー」を生かした主張は、新人アーティストに朗報でした。大手企業中心に物事が動きがちですが、今回の「テイラー・スウィフト対アップル」は問題提起したという意味で注目に値すると思います。

 
[June 23 2015]  No 031843191

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.12.15 更新トランプ大統領、任期全うできるか12月9日からの1週間は、トランプ大統領にとって就任以来で最悪の週だった。ワシントンポストのコラムニストが伝えました。確かに、トランプ大統領に打撃となるニュース…
  • 2018.12.14 更新アメリカのガラパゴス日本に帰国する際は非接触型ICカードを使っています。JR東日本のSuicaや首都圏の地下鉄やバスで利用できるPASMO。コンビニや自販機でも使えて便利だと思いま…
  • 2018.12.13 更新FRBの利上げけん制、最後のプッシュアメリカのトランプ大統領が11日、ロイターのインタビューを受けました。ウォール街で話題に。金融情報に強い通信社による単独インタビューのため、慎重に準備したことが…
  • 2018.12.12 更新ホワイトハウスの重要ポスト先週末まで、「ホームランド」をアマゾンプライム・ビデオで毎日観ました。2011年から放送されているCIAエージェントのテロリストとの戦いを描いたテレビドラマで8…
  • 2018.12.11 更新中国がiPhone差し止め、微妙なタイミング中国の福建省福州の裁判所が、特許侵害をめぐるクアルコムとの訴訟に関し、アップルのiPhoneの輸入と販売を差し止める仮処分を下したことが明らかになりました。クア…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ