2分でわかるアメリカ

2015/06/12年収3000万円と最低賃金1860円

FIFA(国際サッカー連盟)の金権体質、汚職問題が話題になっていますが、Bloombergによりますと、FIFA職員の平均年収は24万2000ドル(約3000万円)だそうです。これはヨーロッパの連盟であるUEFAより37%高い額。

世界で最も資金力がある組織とされるものの、FIFAは非営利団体。世界の非営利団体の平均年収は6万6000ドル(約818万円)だそうですので、いかに高いかがわかります。高い報酬で知られるヘッジファンドの平均18万ドルや金融機関のトレーダーの19万4000ドルより大幅に高い。異常と言える水準です。

話は変わりますが、ロサンゼルス市議会がきのう、2020年までに最低賃金を時間あたり15ドル(約1860円)に引き上げることを可決しました。カリフォルニアの現在の最低賃金は9ドル(約1116円)、連邦政府が定める最低賃金は7ドル25セント(約899円)です。ちなみに日本の最低賃金の全国平均は780円。厚生労働省によると、最も高いのは東京で888円、京都は789円、大阪は838円、福岡は727円です。

最低賃金は通常、工場やレストランの従業員に適用されるケースが多いのですが、大幅な引き上げは当然ながら中小企業の経営者から反対意見が出ます。今回の審議の中で、格差是正などに繋がり悪影響より好影響の方が大きいとするエコノミストの試算などが紹介され、可決に繋がりました。

今後3年から5年で最低賃金を15ドルに引き上げることは、シアトルとサンフランシスコの2つの市が決定済みです。ロサンゼルスは全米第2の都市で影響力があり、最低賃金引き上げが全米の都市に広がる可能性があります。

ロサンゼルス市の労働組合は、時給15ドルへの引き上げ決定に沸きました。最低賃金15ドルで週40時間働いた場合の週間賃金は600ドル。単純計算ですが、年収は週600ドル×52週=3万1200ドルになります。FIFA職員の平均年収の7.7分の1。比較すること自体がおかしいのかもしれませんが、考えさせられます。

 
[June 11 2015]  No 031843183

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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