2分でわかるアメリカ

2015/06/11経験則は通用せず、読めない外為相場

今月に入り外国為替相場の変動幅が大きくなっています。また、ドイツ国債の利回りが過去に例がないほど大きく振れています。それを受けたユーロ相場のボラティリティがさらに拡大しています。

外国為替の見通しは、中央銀行の金融政策、国債利回りの動向、経済のファンダメンタルズをみればだいたいわかる、などという人がいます。しかし、それでは説明がつかない相場展開が最近目立ちます。(10日のドル円の急落は黒田発言の影響であることは間違いありませんが。)

弱い経済指標が発表されても利回りが上昇する。あるいは、景気回復を示すデータが発表されたのに金利が低下したりすることがあります。また、国債利回りと外為相場、国債利回りと株式相場の関連を説明できないことが少なくありません。「利益確定売り」などと説明されることが多いのですが、本当のところは良くわかっていないように思います

不可解で、変動が激しい最近の外国為替相場について、Financial Timesが興味深い記事を掲載しましたので簡単にご紹介します。

先週4日のユーロの対ドル相場は、わずか2、3時間の間に乱高下。変動幅は1.3%にも達しました。通常であれば考えられない相場展開。記事は、外国為替マーケットの心理を読むのは困難で、不可能に近いとしています。

コメルツバンクのアナリストは「暗闇を泳ぎまくる記憶がない金魚のようだ」と表現しました。また、コロンビア・スレッドニードルのファンドマネジャーは「金の卵を産む能力があるのに、騒ぎ立てる怠け者の鶏のようだ」と説明しました。

投資家の忍耐力がなくなっている。ちょっとしたきっかけで相場が動くとそれに追随する。ポジションを定めないで、誰かが買うと自分も買い、誰かが売ると自分も売る。テクニカルに動く。などと、専門家が最近の傾向についてコメントしています。 経験則、アノマリーは通用せず、誰もが投資に確証を持っていないということだと思います。

夏は参加者が少なく、流動性が低下する傾向があるため、相場がさらに大きく変動する可能性があるとFinancial Timesは解説しています。

 
 [June 10 2015]  No 031843182

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.07.21 更新「ドクター・コッパー」示唆する危機※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)国際商品市場で代表的な非鉄金属である銅相場の下げが止まりませ…
  • 2018.07.20 更新輸入車関税の方向決める1週間※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカ商務省は、アメリカに輸入される自動車と自動車部品が安…
  • 2018.07.19 更新トランプ関税、今度はウラン?※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)先月末から今週初めにかけて、北朝鮮が高濃縮ウランの生産を強化…
  • 2018.07.18 更新ゴールドマンの次期CEOはクラブDJ※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカの金融機関大手ゴールドマン・サックスが17日、第2四…
  • 2018.07.17 更新遅刻の常習プーチン、擁護したトランプロシアのプーチン大統領は遅刻常習犯として知られています。日本の安倍首相、ドイツのメルケル首相、イギリスのエリザベス女王、ローマ法王をはじめ数多くの要人との会談に…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ