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2015/05/21「緩やかな豪ドル安、NZドル安」との見方

オーストラリア最大の都市で、オセアニアの金融、商業の中心であるシドニーで話を聞き、「緩やかなオーストラリアドルの下落」「緩やかなニュージーランドドルの下落」を予想していることがわかりました。

オーストラリア中銀は19日に前回の金融政策会合の議事録を公表しました。これを受けて、0.25%程度の追加緩和が実施される可能性があるとの観測が広がりました。The Australianは「政策金利を引き下げる余地がある」と報じました。

背景には、最大の貿易相手国で、最大の投資家である中国の景気減速があります。また、主力の輸出産品である鉄鉱石などの相場下落もオーストラリア経済にネガティブです。国内消費が脆弱で、労働市場の回復が遅れていることも緩和期待、緩和予想に繋がっています。

ただ、シティバンク・オーストラリアのチーフ・エコノミストであるジョシュア・ウィリアムソン氏は、利下げがない可能性もあると指摘しました。利下げするとしても年末で、「年央にも」というコンセンサスとは見方がやや異なります。シドニーなどの不動産価格が、キャピタルゲインを狙った国内投資家や中国をはじめとする海外投資家の旺盛な買いにより急ピッチで上昇していることなどがあります。

シティバンクは、オーストラリアドルの対ドルで相場が6月末に0.74、9月末に0.72、12月末に0.70へ下落すると予想しています。対円相場については、年央から3月まで89円の水準が続き、来年6月末に88円に下がると予想しています。

一方、ニュージーランドドルについては、景気がオーストラリアと比べ堅調であること、主力産品が乳製品であることなどで、下落ペースはさらに緩やかになるとシティバンクは予想しています。対ドルでは、6月末から来年6月にかけて、0.75、0.74、0.73、0.72へ段階的に下がるとみています。対円相場は89円に一旦下がったあと、年末までに92円台に戻す可能性があるとの見通しです。

ソニー・オーストラリアの財務責任者のエリック・クエック氏も、緩やかなオーストラリアドル安、緩やかなニュージーランドドル安を予想していました。主力のテレビをマレーシアから輸入していることもあり、クェック氏は外為相場に敏感です。

オーストラリアドルとニュージーランドドルの相場に最も影響するのはFRBの金融政策だとの見方が多いです。最大のリスクは中国経済の急激な冷え込みだとシティバンクのウィリアムソン氏は指摘しました。外的要因に左右されやすいとの見方です。

 
[May 20 2015]  No 031843167

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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