2分でわかるアメリカ

2015/05/13貧民大都市ロサンゼルス

「ロサンゼルスのホームレスが12%増えた」とThe Los Angeles Timesがトップで大きく報じました。FRBが利上げ時期を検討するほどアメリカの景気回復が進んだとされますが、ホームレスの数が大幅に増えています。ロサンゼルスのホームレスの数は、過去2年間で12%増えたそうです。ロサンゼルス市によりますと、ホームレスが暮らす簡易テントや廃車の数が9535と、85%も増加しました。

ロサンゼルスの中で特に、ダウンタウンやベニス地区にホームレスが目立ちます。ベニスはサンタモニカの南側に隣接していますが、海岸線と平行して続くボードウォークには確かにホームレスが多いです。先日、ベニスのリサイクル回収施設に空いたペットボトルを持って娘と行ったのですが、ホームレスだらけで娘は車から出ることができませんでした

全米には1月末時点で4万4000人のホームレスがいるという政府の統計があります。2013年の3万9000人から増えました。ロサンゼルス市のホームレスは2万6000人で、全米の半分以上を占めています。東海岸のニューヨークやシカゴ、西海岸のサンフランシスコなどの都市と比べ、ロサンゼルスは一年を通して気候が温暖であるため、ホームレスに好まれるとみられています。

3月と今月はじめには、警官が無防備なホームレスを射殺するという事件が起きました。全米では、警官が黒人を射殺する事件が相次いで発生し社会問題になっていますが、ロサンゼルスでは、ホームレスが犠牲になり緊張が高まっています。

ロサンゼルスのガルセッティ市長が施設を増設するなどホームレス対策に取り組んでいますが、これまでのところ効果はまったくありません。財政難も影響しています。

アメリカ労働省が先週発表した4月の雇用統計では、失業率が5.4%に低下しました。ただ、ロサンゼルス郡の失業率は7.5%と、全米平均を大幅に上回っています。所得格差も拡大しています。アメリカが景気回復したと言えるまでに程遠い、とロサンゼルスに暮らして思います。

 
[May 12 2015]  No 031843161

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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