2分でわかるアメリカ

2015/05/07「金利」以外で注目されたFRB議長

いま、世界の外国為替相場に最も影響を与える人物はFRBのジャネット・イエレン議長だと思います。いつ利上げに踏み切るのか、どのようなペースで引き締めるのか。少なくとも年内は、イエレン議長の言動に一喜一憂する展開が続くとみられます。

ただ、イエレン議長がいま、金融政策とは別の問題で注目を集めています。

アメリカ司法省は、2012年9月に開催した金融政策を決めるFOMCの議事録が漏えいした問題をめぐり調査をはじめました。きっかけになったのは、民間情報会社メドレー・グローバル・アドバイザーズ(MGA)が、議事録公表の1日前に詳細を伝えたことでした。FRB内部からリークされたと疑われています。イエレン議長は、MGAのアナリストと同じ年の6月に面会していたことを認めましたが、「機密事項は絶対に伝えていない」と共和党下院議員2人に対する書簡の中で明らかにしました。

MGAは、大物投資家ジョージ・ソロス氏の政治ストラテジストだったリチャード・メドレー氏が1997年に創業した情報会社です。日本では、かつて橋本政権に食い込んでいたことでも知られています。メドレー氏は、プライベート・エクイティ会社により買収された際に退社しています。ゴールドマン・サックスも少数株主として投資しました。2010年には、Financial Timesが買収しました。ニューヨーク、ワシントンDC、ロンドン、そして東京に拠点があり、その情報が外国為替相場などに影響することが時々あります。

イエレン議長がMGAのアナリストと面識があったことで、疑惑が広がる形になりました。今後、議会を中心に、イエレン議長が徹底的に追求される可能性があります。

きょう6日は、これとは別に、イエレン議長の発言がウォール街で話題を集めました。ワシントンDCで開かれたIMFの会合の中で、イエレン議長は「株式相場が非常に高い。危険な可能性が存在する」と述べました。FRBの議長が株式相場の水準に言及するのはきわめて異例のことで、ニューヨーク株式マーケットが動揺しました。

イエレン議長は、経済ニュースのナンバーワン・メーカーです。

 
 [May 06 2015]  No 031843157

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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