2分でわかるアメリカ

2015/05/05世界が見守る歴史的選挙

今週の木曜日7日、650議席を争うイギリスの総選挙が実施されます。全ての議席が小選挙区制で選ばれます。年初から数々の世論調査が実施されていますが、結果はバラバラ、いずれも僅差という予想不能の選挙です。

今回のイギリスの総選挙は過去に例がないほど世界が注目しています。予測不能というだけではなく、1945年から続いた2大政党制が大きく変わる可能性があるからです。

1945年に労働党が勝利して以来、もう一つの保守党と合わせた2大政党がそれぞれ9回ずつ政権を取りました。現在のキャメロン政権は保守党、その前のブラウン首相は労働党です。お金持ち寄りだった保守党、労働者の味方を掲げた労働党ですが、長期にわたり政権を取ったり、取られたりするうちに、外交、安全保障、経済、社会福祉など、双方のあらゆる政策が近づいてきました。このため、イギリスの政治は戦後で最も安定しているとされています。

1951年の総選挙では、約95%が2大政党のいずれかに投票しました。しかし、今回の選挙では、2大政党を合わせた支持者が合わせて3分の2程度しかおらず、残り3分の1を小政党がとりあう構図になっています。第3の政党で注目されているのが「反EU、反移民」を掲げるイギリス独立党ですが、獲得できる議席は1桁になると予想されています。保守党と連立を組む自由民主党は伸び悩んでいます。一方、スコットランド国民党と北アイルランド民主統一党は一定の議席を確保するとみられ、混乱要因となっています。

5月7日のイギリスの総選挙で、保守党と労働党のいずれも過半数を確保できないとみられ、2大政党の終焉が決定的になる可能性があります。いずれかが、連立相手をどこにするかは選挙の結果次第、どういう組み合わせになっても、不安定になる可能性があります。また、EU離脱、スコットランド分離などの問題が、イギリスの次の5年間の重要テーマになると予想されます。

歴史的なイギリスの総選挙。兄弟とも呼べる強固な同盟関係にあるアメリカ、関係が深いEUが固唾をのんで見守っています。ポンド相場に影響することは確実です。

 
 [May 04 2015]  No 031843152

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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