2分でわかるアメリカ

2015/04/17グローバルマクロ投資の道標

アメリカの財務省が15日に発表した国際資本収支統計によりますと、今年2月末時点の米国債の保有高は、日本が1兆2244億ドルとなり、金融危機以来、6年半ぶりに最大の保有国になりました。1月末までトップだった中国は1兆2237億ドルで僅差に2位でした。

日本ではアベノミクスによる金融緩和による円安が進行しました。2012年12月の安倍首相就任以来、日本の個人や法人が速いペースで米国債を買い、 世界最大の年金ファンドである日本の公的年金基金も米国債を買ったとみられます。日本の米国債保有は2年半で1132億ドル増加しました。

一方、中国では、成長の鈍化を背景に資本が流出する兆候が強まっています。中央銀行である人民銀行が人民元を支えるために外貨準備の一部を売却したとの観測もあります。

Bloombergは、米国債が依然として世界で最も好まれる資産であるのは、アメリカが傑出した準備通貨を発行、最も流動性が高い資本市場を持つ国として、資金調達の比類ない柔軟性を備えているためだと伝えました。その上で、「日本と中国の動きが変化したのは、外貨準備の必要性と両国の通貨の動きが一因だ。グローバルマクロ投資の道標だ」とのRBS証券のストラテジストのコメントを紹介しました。

ただ、中国は、保有高4位のベルギーや8位のイギリスなどに米国債を保有しているとみられ、実際には日本より保有高が多い可能性があります。アメリカ財務省は、これらの中間保有を正確に把握していません。アメリカのマーケットは、依然として中国、中国人投資家の影響を大きく受けることに変わりはありません。

いずれにせよ、日本と中国の米国債の保有高は世界で突出していて、全体の約4割を占めています。すごいとあらためて思います。同時に、日本が米国債を買うことで、利回りが低下、アメリカ人の住宅ローン金利などを低く抑えるのに貢献。また、利回り低下でドルの上昇を抑えていること、などを考えると不思議な気持ちになります。

 
 [April 16, 2015]  No 031843140

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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