2分でわかるアメリカ

2015/04/01全米最大の刑務所が大変なことに

サンフランシスコの北側にあるSan Quentin State Prison(サンクエンティン州立刑務所)。1852年に開設されたカリフォルニア州で最古の刑務所であり、唯一の死刑囚専門の刑務所です。男性の死刑囚のみ収監、規模は全米最大です。メタリカのミュージックビデオや数多くの映画やテレビドラマに使用されたことでも知られます。

サンクエンティン刑務所が大変なことになっています。

死刑執行のためにガス室が用意されていますが、近年は3種類を混ぜ合わせた致死量の薬物を注射する形式がとられています。しかし、2006年に3種類を混ぜ合わせることが問題視され訴訟に発展、ヨーロッパの会社が薬物の製造を中止したことで、それ以来、一度も死刑執行が行われていません。

死刑が執行されず、その一方で新たな死刑囚が送り込まれ続けたため、全米最大の死刑囚専門の刑務所は満室になりました。2006年のカリフォルニアの死刑囚は646人いましたが、現在は751人に増えました。751人の内20人は女性の死刑囚で、別の刑務所に収監されています。

The Los Angeles Timesによりますと、サンクエンティン刑務所は最大715人しか収監できません。現在は708人の死刑囚が収監、23人は別の刑務所や医療施設に収監されています。定員オーバーが迫り、対応が急務です。

事態を重くみたブラウン知事は、320万ドル(約3億8400万円)の予算で97の死刑囚独房を増設する法案を州議会に提出しました。しかし、先行きは不透明です。根本的な解決にはならないとの批判が少なくないからです。死刑制度そのものに反対する議員も当然ながらいます。

ブラウン知事は来月末に州議会の予算委員会で証言を予定しています。サンクエンティン刑務所の行方に注目が集まっています。

 
[March 31, 2015]  No 031843128

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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