2分でわかるアメリカ

2015/03/28「お金持ちの掟78」こんなに違う日米

数年前のことですが、日本の内閣府の税制調査会で、日米欧の寄付に関する税制について意見交換する会議が開かれました。この中で、日米の寄付の実態について税制第2課長が次のように説明しています。「個人、法人の合計額は、日本の場合は7181億円、アメリカの場合は24兆円ということで、全くオーダーが違っています」と。

課長はまた、アメリカの個人の寄付金の額は日本人の50倍、10万ドル以上の所得があるアメリカ人の約90%が寄付をしているのに対し、日本の申告納税者は2%しかいないと解説しています。
税金の制度が違うからとよく言われます。しかし、親しいアメリカの公認会計士によると、アメリカの高額所得者は寄付金のほとんどを控除できないと話しています。それなら、なぜアメリカ人は日本の50倍も寄付するのか。キリスト教がアメリカ社会のベースになっていること、そして学校の教育の違いが大きいのではないか、と個人的に思います。

ウォーレン・バフェット氏とビル・ゲイツ氏が2010年に創設したGiving Pledgeは、世界のお金持ちに個人資産の少なくとも50%を慈善団体へ寄付するよう呼びかける団体です。前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏、テスラ・モーターズのイーロン・ムスク氏、フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグ氏ら、個人資産が100億ドル(約1兆2000億円)を大幅に超えるアメリカの有名なビリオネアーらが既に同意書にサインをしています。

一方、アップルのティム・クックCEOは、Fortuneの最新号のインタビューの中で、約7億8500万ドル(約9420億円)ある個人資産のほとんどを生きている間に寄付する考えを明らかにしました。ほとんどであり、すべてではないのは、現在10歳の姪の大学までの学費として資産の一部を使う予定だからです。

クック氏の資産のほとんどはアップルの株式。7億8500万ドルという資産額は現在のアップル株の株価で計算したものです。ウォール街では今週、カンター・フィッツジェラルドのアナリストがまとめた「アップルが世界で初めて1兆ドル(約120兆円)企業になる」とするレポートが話題を集めました。現在より約40%株価が上昇する可能性があるとの予想です。クック氏の寄付額も大幅に増えると予想されます。

お金を必要以上に稼いだら寄付をする。日本では少し違うようですが、アメリカではお金持ちの掟になっているように思います。
 

 [March 27, 2015]  No 031843126
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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