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2015/03/27ウォール街が懸念する”Biotechバブル”

ニューヨーク株式相場が不安定になっています。FRBの利上げ時期を巡る観測、ドル高が企業収益に悪影響があるとの懸念、アメリカ経済が弱含んでいるとの見方など、複数の要因があるとされています。26日の取引では、イエメン情勢が悪材料になりました。ただ、共通した見方は「Biotech(バイオ関連株)のバブル説」です。

サンフランシスコ郊外に拠点を置くギリアド・サイエンシーズ。B型肝炎やHIVの薬で知られる世界トップクラスのバイオ製薬会社ですが、時価総額は1520億ドル(約18兆2400億円)と巨額です。一方、ロサンゼルス郊外を拠点とするバイオジェンが先週20日、初期段階ながらアルツハイマー病の新薬開発で良い結果が出たと発表しました。これを受けてバイオジェン株が大幅高。バイオジェンの時価総額は1080億ドル(約12兆9600億円)に達しました。さらにiSharesとMarket Vectorsのバイオ関連株ETFが急上昇しました。

しかし、それをピークに下落が続いています。The Wall Street Journalは「バイオ関連株の急上昇でバブル不安が広がった」と題する記事を掲載しました。

バイオ関連株は、伝統的な医薬品会社の株式と比べリスクが高いとされています。画期的な新薬への期待や関連ニュース、もしくは資金到達の結果などを受けて、急上昇したり、急落したりすることが多いからです。

The Wall Street Journalによりますと、1990年、1993年、そして2000年に数回に渡って急落しています。ちょうど1年前の去年3月にも、バイオ関連株がバブル化、株式相場が不安定になりました。歴史が繰り返されていると言えます。

バイオ関連株のほとんどはナスダック市場で取引されています。ナスダック全体の平均では、株価が1年前の利益の27倍で取引されていますが、バイオ関連株は50倍。成長株だからとの説明がありますが、高すぎるとの懸念があります。

目先のニューヨーク株式相場の行方は、バイオ株が決める可能性があります。時価総額が大きいだけに、ナスダック指数への寄与度が高く、ボラティリティが高まる可能性もあります。株式相場は、ドル相場にも影響するため、今後の行方に注目です。

 
 [March 26, 2015]  No 01056587

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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