2分でわかるアメリカ

2015/03/26ウォール街からシリコンバレーへ

ウォール街が驚きました。アメリカ大陸の東側にあるウォール街で最もパワフルな女性が西の果てにあるカリフォルニアのシリコンバレーの企業に転籍することが発表されたからです。

話題の女性は、ロス・ポラットさん。大手投資銀行のモルガン・スタンレー本社のCFOです。28年、とアメリカにしては長期間一つの会社に所属、5年前にCFOにのぼり詰めました。過去5年のウォール街では、金融危機後に導入された厳しい規制への対応など、投資銀行のCFOは多忙を極めたと想像します。その手腕は定評があり、ウォール街では誰もが知るパワフルウーマンです。

そのポラットさんが5月26付でグーグルのCFOに就任します。グーグルの現在のCFO、パトリック・ピシェット氏は2週間前に退任することを表明していました。

ポラットさんの英断だと思いますが、実はポラットさんのルーツはシリコンバレーにあります。カリフォルニアで生まれ育ち、パロアルトにあるスタンフォード大学卒。1987年にモルガン・スタンレーに入社しましたが、投資銀行部門のテクノロジー担当としてeBayなどの新規株式公開などに関わっています。いわば、故郷に戻るという感じでしょうか。

グーグルは5万3600人の社員がいる巨大企業です。CFOとしての業務は簡単ではありません。ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの2人の創業者が経営に大きな影響力を持つ大株主であり、650億ドル(約7兆8000億円)もの現金の使い道が問われていて、さらに、自動走行の自動車開発をはじめR&D費が高すぎると一部で批判されています。ウォール街出身のポラットさんの手腕が期待されています。過去1年間、ほとんど動かなかったグーグル株は、ポラットさんの人事ニュースで2%近く上昇しました。

ポラットさんの転籍は、ウォール街からシリコンバレーへの人材流出、女性幹部が少ないと批判されているシリコンバレーでの登用、などの点でも注目に値します。Financial Timesは、「カリフォルニア・ドリーム」だと伝えました。

 
[March 25, 2015]  No 01056586

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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