2分でわかるアメリカ

2015/03/255Gの世界

経済紙だけではなく、一般紙でもIoT(アイ・オー・ティー)という言葉をよく目にします。「Internet of Things」の略語です。日本語では「モノのインターネット」と訳されます。イギリス人のケビン・アシュトン氏が1999年に初めて使った用語。アシュトン氏は、P&Gのサプライチェーンを管理するために考案、その後、アメリカの名門MIT(マサチューセッツ工科大学)で研究をつづけることになります。

IoTとは、具体的に、スマートフォンやタブレットなどインターネットに繋がる機器や、RFIDと呼ばれるタグがついた商品など、多くのモノがネットで繋がる概念や技術を指します。最近自宅用に購入したHPのプリンターは、インクがなくなると自動的にインクを発注します。これもIoT。来月発売される「アップル・ウォッチ」など多くのデバイスも、 IoTのコンセプトがなかったら存在しなかったと言えます。そして、IoTを飛躍的に進化させたのが、WiFiの普及であり、3G、4Gと呼ばれる移動通信システムです。

イギリスの経済誌The Economistの最新号は、次世代の移動体通信システム、5Gは光ファイバーより高速になるとの記事を掲載しました。過去を振り返ると、携帯電話などに使われる移動体通信システムは約10年ごとに世代が変わりました

最初の世代、1Gが導入されたのは1980年。当時はアナログ技術を使った携帯と呼ぶには大きすぎる電話が一部で使用されました。2Gが登場した1991年行以降、ネットワークのデジタル化が進みます。この時代に、フィンランドのノキアや日本の家電メーカーが成長します。そして、2001年に導入された3Gの時代には、iPhoneが登場、世界のライフスタイルを大きく変えました。2010年ごろに導入された4Gで、スマートフォンがブロードバンドに接続、快適な環境が生まれました。世代交代は、通信速度などが飛躍的にジャンプする、いわゆるクオンタム・リープになっています。

次の世代である5Gは、歴史的に見て、2020年ごろに導入されることが予想されます。The Economistは、5Gのlatency(レイテンシ)が1ミリ秒になるとしています。レイテンシとは、機器などがデータを要求してから返答するまでの速度のことで、ミリ秒とは1000分の1秒のことです。この速度は、4Gの50倍、3Gの500倍になる計算です。

もう1つ。5Gの環境では、1秒あたりのデータ転送速度が少なくとも1ギガバイトになる見通しです。10ギガに達する可能性もあります。LTE技術を使用した4Gが1ギガに達するとの宣伝も一部でありますが、実際には4分の1程度だとみられています。5Gの時代には、4Kや8Kの映画などがスムーズに視聴できます。

IoTの時代が全てのモノがつながるIoE(Internet of Everything)の時代に変わります。3Gと4Gの時代に、アップルがiPhone とiPadを発表、テスラがモデルSを出し、グーグルやフェイスブック、ツイッターが幅広く普及しました。5Gを制するものが世界をリードする企業になることは間違いないと思います。どんなデバイス、サービスが登場するか、ライフスタイルがそう変わるか、楽しみです。

 
[March 24, 2015]  No 01056585

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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