2分でわかるアメリカ

2015/03/18Game Changer

ライフスタイル、ビジネスなどを根本から変えるモノやサービスをGame Changer(ゲームチェンジャー)と呼びます。音楽業界を変えたiTunes、携帯電話だけではなく、デジタルカメラ業界、ゲーム業界など幅広い業界を変えたiPhone、そしてPCを変えたiPadと、アップルはまさにゲームチェンジャーでした。そのアップルがあらたに1つのゲームを変えようとしています。

アップルが今年秋、オンラインで視聴可能なテレビサービスに参入する計画だとThe Wall Street Journalなどが伝えました。ABC 、CBS、Foxなどのネットワークと協議を続けています。ただ、NBCユニバーサルは、親会社のケーブル最大手コムキャストとの関係が悪く、交渉をしていないようです。

アップルの構想は、ネットワークの主要チャンネルに加え、スポーツ専門のESPNやドラマのFXなど少数の有力なチャンネルをまとめセットで販売することです。月額30ドル程度で販売するとみられています。iPhone やiPadなどiOSを搭載した機器全てで視聴することができます。

アップルは過去にもメディア関連企業と同様の交渉をしましたが、「斬新すぎる」と相手にされませんでした。しかし、アップルの端末が幅広く普及したこと、ネットフリックスやアマゾンプライムなど、ネットでテレビ番組を視聴する人が急増したことなどで、「機が熟した」とメディア会社が判断しているとみられます。まだ最終合意には至っていませんが、実現する可能性が高そうです。

アメリカでは大きな意味があります。我が家では、ケーブル会社のタイムワーナーに毎月200ドルを支払っています。ケーブルテレビ、固定電話、インターネットを合わせた料金ですが、少し高いと思います。300を越すチャンネルで実際に視聴するのは数チャンネルです。多くのアメリカ人が同様に感じていると思いますので、ケーブルテレビの契約をアップルに切り替える人が相当数いると考えられます。巨大マーケットであるアメリカのケーブル業界を根本的に変える可能性があります。また、マイナーなチャンネルは淘汰される可能性があります。

ただ、これはアメリカのこと。おそらく、事情が近いヨーロッパの一部でも類似したサービスが検討されるとみられます。しかし、日本では、ケーブルの普及率が欧米と比べ低いこと、NHKという特殊な組織があることなどで、アップルのテレビサービスが導入される可能性は低いと考えられます。

個人的には、伝統的な放送局はいずれアプリのひとつになるのではないかと思います。そういう意味で、アップルが計画しているテレビサービスは、ゲームチェンジャーながら、「つなぎ」のような存在になる可能性があると考えます。

 
 [March 17, 2015]  No 01056580

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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