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2015/03/12相次ぐ超長期債の起債、ユーロはファンディング通貨に

Financial Times(FT)のBonds&Rates欄には、世界15の国もしくは地域のオーバーナイトの金利、政策金利、そしてマーケットの金利が表示されています。マーケットの金利では、ユーロ圏、スウェーデン、スイスがマイナス金利、1%未満の金利は他に6か国あります。「失われた20年」を経た日本では当たり前になっているかもしれませんが、これほど幅広い国や地域で超低金利になるのは歴史的なことです。

FTのCapital Markets欄では、世代を超える長期債の起債が歴史的な高水準になっていると報じています。歴史的な低金利を背景に、世界中の国や地域、そして企業が自分の世代に償還を迎えない超長期の債券を相次いで起債しているとしています。30年以上の債券の発行額は、年初からこれまでに690億ドルに達し、前年同期比で12%増、10年前の倍の水準だと伝えました。

イギリス政府は10日、2068年に償還期を迎える53年債を起債しました。強い需要があり、イギリス政府は2.62%という低金利で資金を調達しました。「1世代は30年」と言われますから、確かに世代を越えた債券であり、借金です。

FTによりますと、去年はメキシコ政府とフランスの電力会社EDFが100年債を起債しました。また、カナダ政府とスペイン政府が初めて50年債を起債。企業でもアメリカの重機大手のキャタピラーが50年債で資金を調達しました。

ECBが量的緩和(QE)を開始したばかりで、当面、超長期債ブームが続くことが予想されます。ただ、FRBが年内にも、そしてイングランド銀行が来年2月にも利上げに踏み切ると予想される中、ブームがいつまで続くかは不透明です。

ヨーロッパでは美術館の修復に300年をかけるという話を聞いたことがあります。何世代にも渡る超長期プロジェクトです。ロマンを感じます。ただ、何世代にも渡って借金することについては、いろいろ考えさせられます。

いまやユーロ圏の利回り水準は日本をも下回っています。超長期債のブームのほか、ユーロで資金を調達し、他の国や地域で運用する「ユーロのキャリートレード」ブームを招きつつあります。

 
[March 11, 2015]  No 01056576

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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