2分でわかるアメリカ

2015/03/04「オマハの賢人」の後継問題

世界トップ5に入る巨額の個人資産を持ちながら58年前に3万1500ドル(現在のレートで約378万円)で購入したネブラスカ州オマハ郊外の一戸建てに住み、会長を務めるバークシャー・ハザウェイから受け取る年10万ドル(約1200万円)の給与で質素に暮らすウォーレン・バフェット氏。84歳と高齢であるため、後継者問題が度々話題になります。

先週末は、91歳と高齢で、バフェット氏の右腕として知られるチャーリー・マンガー副会長が書簡の中で、バークシャー・ハザウェイのエネルギー部門の責任者であるグレッグ・アベル氏(52)と保険部門の責任者であるアジット・ジェイン氏(63)の2人を後継候補にあげました。欧米の有力紙が大きく伝えました。「後継者が絞られた」と。主導権争いが起きているとの報道もありました。

しかし、ウォーレン・バフェット氏は、主導権争いを否定しました。さらに、後継候補として名前があがった二人について、後継者が誰になるか知らないとCNBCのインタビューで述べました。自らが意識を失った際の、極めて詳細な対応計画がすでにあると説明しました。

バフェット氏の後継をめぐっては、傘下のバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道の会長であるローズ氏や、天安門事件の学生指導者で、アメリカ亡命後に成功した中国人の李氏などの名前も過去にあがりました。しかし、現時点で、バフェット氏は、自分の後継者の名前を誰にも明かしていません。謎というか、思惑は広がるばかりです。

The New York Timesによりますと、バフェット氏は今年の株主にあてた手紙の中で、ウォール街の投資銀行を批判しました。自分たちの利益のためM&Aで高いバリュエーションをつける投資銀行、弁護士、会計士がフィーを取りすぎているとしています。バフェット氏の株主への手紙は、バークシャー・ハザウェイの経営状況を伝えると同時に、投資に関する教訓を示すことで知られています。今年の手紙は、投資銀行に焦点を当てました。

「オマハの賢人」と呼ばれるバフェット氏の後継者がだれになるかは不明です。しかし、誰が後継になっても、バフェット氏のカリスマ性を引き継ぐことは困難です。

 
[March 03, 2015]  No 01056570

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.11.17 更新米ドル相場を押し下げた発言16日のニューヨーク外国為替マーケットで、米ドルの対円相場が113円台半ばから112円60銭台に急激に下落する局面がありました。アメリカの中央銀行にあたるクラリ…
  • 2018.11.16 更新FRB利上げ、打ち止め近い?11月に入り上昇基調にあった米10年債の利回りが低下傾向にあります。今週に入りずっと。米2年債、米30年債の利回りも同様です。背景には、FRBの利上げが予想より…
  • 2018.11.15 更新脚光浴びた2人のファーストレディ先週末からきょうまで、オバマ前大統領のミシェル夫人がアメリカの主要メディアに頻繁に登場しています。ミシェル夫人の回想録「BECOMING」が13日に発売されまし…
  • 2018.11.14 更新「米株の大底まだ」、米ドル高も影響?ダウが602米ドル安、ナスダックが急落した12日のニューヨーク株式マーケット。一夜明けた13日の取引では、高く始まったものの上値が重く、終盤に下げに転じました。…
  • 2018.11.13 更新株安は民主党のせい?12日は「ベテランズデー(退役軍人の日)」でアメリカの連邦祝日です。郵便配達を含め政府関係機関はサービスがなく、銀行も休業。しかし、ほとんどの学校で授業があり、…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ