2分でわかるアメリカ

2015/02/24内輪ネタで最高の栄誉

アメリカ映画界の最高の栄誉である第87回アカデミー賞の授賞式が22日夜、ロサンゼルス・ハリウッドのドルビー・シアター(旧コダックシアター)で開かれました。作品賞には「バードマン」、主演女優賞には「アリスのままで」のジュリアン・ムーアが受賞しました。主演男優賞は、予想外に「博士と彼女のセオリー」のエディ・レッドメインが選ばれました。

日本では、長編「かぐや姫の物語」と短編「ダム・キーパー」の日本人監督の2つのアニメ作品が受賞を逃したことがニュースになりました。ノミネートされたことは素晴らしいと思いますが、残念ながら、アメリカでは話題にすらなっていません。

今回のアカデミー賞受賞作にはいくつかの特徴があります。まず、メジャースタジオの大作ではなく、独立系の小規模作品の受賞が多かったことです。「バードマン」を含め、複数の賞を受賞した作品のアメリカの国内興行成績は、いずれも4000万ドルに届いていません。

作品賞の「バードマン」は、かつてヒーロー映画「バードマン」でスターになったものの、その後落ちぶれた熟年男優がブロードウェイで再起を目指すドラマです。主演を演じたのは本物の映画「バットマン」でスターになったマイケル・キートン。ハリウッド大作のブラックジョークや美容整形など内輪ネタが満載で、かつて成功した高齢で白人の映画関係者が多い7000人のアカデミー会員にうけたようです。2ヶ月前に見ましたが、難しい作品で「これが作品賞を受賞する」とは正直思いませんでした。

2つめの特徴は外国人の活躍です。監督賞をとったアレハンドロ・G・イニャリトゥ氏はメキシコ人。オバマ政権の移民政策が政治のテーマになっているだけに、注目を集めました。また、今年のアカデミー賞で主演賞及び助演賞にノミネートされた4人に1人がイギリス人でした。アメリカでは「イギリスは兄弟みたいなもの」と考える人が多いのですが、今回は特に目立ちました。ただ、ほとんどのイギリス人の役者はロサンゼルスに住んでいますが。

メジャーな賞の受賞作を見ると、ジュリアン・ムーア主演の「アリスのままで」は若年性アルツハイマー病、パトリシア・アークエットが助演女優賞をとった「6歳のボクが大人になるまで」は男女平等がテーマです。アカデミー会員は、社会問題をテーマにした作品を好む傾向がありますが、今年もそれを証明する形になりました。

今年のアカデミー賞は、質の高い作品が多くノミネートされましたが、やや地味でした。これを反映してABCが放送した授賞式の視聴率は4年ぶりの低さでした。我が家にはロシア人の2人の女性が来て一緒にテレビ鑑賞しましたが、妻と友人は、ショーはそっちのけでお喋りばかりしていました。

 
[February 23, 2015]  No 01056564

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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