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2015/02/12キャリー取引の巻き戻し、トルコだけじゃない

このところ、トルコリラの下げが目立ちます。6月に選挙を控えたエルドアン大統領の政治圧力が強く、中央銀行が24日の会合で追加利下げするとの観測が背景にあります。去年9月に9.8%だったトルコリラ建て10年債の利回りが8%以下に低下しています。

トルコリラ安の背景には、個別の問題のほか、世界的な資本の流れの変化があると指摘されています。

金融危機以降、FRBが事実上のゼロ金利を導入、大型の量的緩和を実施したことで、ドルで調達した資金が新興国に大量に流入しました。いわゆるドルのキャリートレードです。相対的に金利水準が高かったトルコはその恩恵を最も受けた国の一つでした。しかし、状況が変わりました。

アメリカの景気回復が進み、FRBが量的緩和を終了、早ければ6月にも利上げに踏み切る可能性があります。原油安などが影響してインフレ率が低いため、まだ不透明ですが、FRBの金融政策は引き締め方向にあります。最近のFRB要人発言からも明らかです。

Financial Timesは、ドルのキャリートレードの巻き戻しが広がっていると伝えました。キャリートレードの投資先で最も好まれた国の一つであるトルコのほか、ブラジルにも影響が及んでいるとしています。チャートでみると、トルコリラの対ドル相場とブラジル・レアルの対ドル相場の動きはコピーしたように一致しています。FTは、中国からも外国の資金が流出していると報じました。

コメルツバンクのストラテジストは、ECBが量的緩和を実施、FRBがおそらく第3四半期(7-9月)に利上げに踏み切るとみられるため、キャリートレーダーに投資機会が訪れるとFinancial Timesにコメントしました。低金利という環境でも、新興国通貨建て債を投資家が保有し続けるだろうとしています。トルコ、ブラジル、ロシアなどの市場で資金が入ったり、出たりする状況が継続するとストラテジストが予想しました。

主要国の金融政策が、外国為替マーケット、特に新興国通貨の相場に当面影響するとみられます。

 
 [February 11, 2015]  No 01056556

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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