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2015/02/10現実味おびてきたギリシャの離脱

ギリシャのツィプラス首相は、8日夜の議会演説の中で、最低賃金の引き上げやインフラ民営化の停止を明言、緊縮策を条件としたEU、ECB、そしてIMFのトロイカによる国際支援を拒否する方針をあらためて表明しました。

ギリシャ政府は先週、ユーロ圏主要国と相次いで会合を持ち、債務再編とつなぎ融資を求めましたが、交渉は決裂しました。ユーロ圏は11日にギリシャ問題に関する緊急財務相会合を開きますが、難航は必至です。

これまでに合意したギリシャへの国際支援は今月末で期限を迎えます。新たな金融支援やつなぎ融資がなければ、ギリシャは3月はじめに資金不足に陥る恐れがあります。そうなれば、ギリシャがデフォルト(債務返済不履行)を余儀なくされる見通しです。ギリシャがユーロ圏を離脱し自国通貨を再導入する可能性が現実味を帯びてきました。

ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏はThe New York Timesのコラムの中で、ツィプラス政権は過去5年のギリシャ政権と全く別だということを理解すべきだと主張しました。ユーロ圏の小国のリーダーには引退後にBISやIMF、EUなどの要職につくという思惑があったが、ツィプラス政権は急進左派であり、その可能性がないと指摘しました。ドイツやEUがこれを理解していないと、危険な方向に進むことになるとしています。

FRBのグリーンスパン元議長は、BBCラジオのインタビューに答え、ギリシャのユーロ離脱は時間の問題だと語りました。グリーンスパン元議長は「ユーロ圏にとどまることはギリシャの助けにならないし、ユーロ圏諸国にプラスにならない」と指摘した上で、「ユーロ圏離脱が最善の策だと一致するのは時間の問題だ」と述べました。

イギリスのキャメロン首相は9日、ギリシャのユーロ圏離脱に備え緊急会合を開きました。ユーロ圏加盟国、ヨーロッパの主要機関、マーケット関係者、それにアメリカも「ギリシャ離脱シナリオ」の対策の検討をはじめたと想像します。

 
 [February 09, 2015]  No 01056554

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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