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2015/02/07「お金持ちの掟71」カードだけじゃない「プラチナ」

クレジットカードのアメリカン・エキスプレス、通常アメックスは、グリーンからはじまりゴールド、プラチナ、そしてブラックとステータスが上がります。後半の2つ、プラチナとブラックは「信用力が高い証」とされています。他のクレジットカードと比べ審査が厳しく、会費が高く敷居が高いので、一種のステータス・シンボルとなっています。

アメックスが普及した先進国のお金持ちの多くはアメックスのプラチナもしくはブラックカードを持っています。しかし、新興国の多くはクレジットカード市場が未熟であるため、個人資産や購買力がいくら高くても、自国の金融機関と提携したビザやマスターカードしか利用できない例が少なくありません。こうした国のお金持ちは、クレジットカードより先に別の「プラチナ・ステータス」を得ることがあります。

The New York Timesによりますと、オーストラリア政府は最近、プレミアム・インベスター・ヴィザ(査証)を導入しました。1500万オーストラリアドル(約13億8000万円)を投資した人に、1年以内に永住権を与えるというプログラムです。「プラチナ・ヴィザ」という通称がついています。オーストラリア政府は既に500万オーストラリアドル(約4億6000万円)を投資した富裕層に対し、投資から4年後に永住権を与えるプログラムを実施しています。こちらは「ゴールデン・ヴィザ」と呼ばれます。

436人の外国人がオーストラリアの「ゴールデン」を取得、投資額の合計は20億オーストラリアドル(約1840億円)に達しました。ただ、政府債への投資がほとんどで、経済の活性化に寄与していないとの批判が出ました。このためオーストラリア政府は、「ゴールデン」や「プラチナ」の取得のための投資は、ベンチャー投資もしくはインフラや農業のプロジェクトへの投資に限るとの条件を新たに加えました。

オーストラリアのような富裕層向査証は一般的に「VIPヴィザ」と呼ばれます。カナダやイギリスをはじめとするヨーロッパの一部が導入しています。主に、ロシア、中国、一部の中東の富豪が「保険」として取得する傾向が強いです。いずれも一定額の投資をした人と家族に永住権を与えるというプログラムです。

アメリカにもEB5と呼ばれるVIPヴィザのプログラムがあります。50万米ドル(約6000万円)を超える投資をした富裕層に永住権を与えるものです。去年の申請は上限の1万件に達しました。導入された1990年以来はじめてのことで、人気の高さを反映しています。ただ、「50万ドル」という投資額が低すぎると専門家がコメントしているとThe New York Timesが伝えています。

オーストラリアで「プラチナ」ヴィザを取得した中国の富豪、アメリカでVIPヴィザを得たロシアの資産家が、新しい居住地でアメックスのプラチナもしくはブラックカードで高額の買い物をしていると想像します。
 
[February 06, 2015]  No 01056553

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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