2分でわかるアメリカ

2015/02/03アメリカ最大イベントの経済学

昨夜、ロサンゼルスに戻りました。空港に着陸する1時間ほど前、機体が少し揺れました。シートベルト着用を求めるアナウンスかと思ったら違いました。ペイトリオッツとシーホークスが対戦するスーパーボウルの途中経過を伝えるアナウンス。「7対7で接戦」とのこと。日本人は興味がないので日本語に訳されませんでしたが、機内のアメリカ人は「ウォー」と盛り上がっていました。

空港からサンタモニカの自宅までの道は「異常」に空いていました。日本の元旦の朝の道路を想像すると近いものがあると思います。NFL、アメリカのプロフットボールのチャンピオンを決めるスーパーボウルはアメリカの国民的行事。誰もが自宅やスポーツバーでテレビ観戦します。ちなみに、日本では「スーパーボール(Super Ball)」と表記する人がいますが、「スーパーボウル(Super Bowl)」が正解。スタジアムが「お椀(Bowl)」の形をしていることが由来だからです。

アリゾナで開催された第49回スーパーボウルは、ニューイングランドのペイトリオッツが28対24でシアトルのシーホークスに逆転勝ち。10年ぶり、4回目の優勝を果たしました。大スターのブレイディ選手が4つのタッチダウンのパスを決めMVPを獲得したことも影響して、今年は例年になく盛り上がったようです。ユーチューブでみましたが、ハーフタイムのKaty Perryのパフォーマンスもド派手でした。

スーパーボウルはどれだけ凄いのか。NBCなどアメリカのメディアを参考に数字でみてみます。

まずチケットの価格。今年の平均価格は6542ドル。1ドル=120円で換算すると78万5040円になります。ちなみに去年の平均は3236ドルでしたので、倍になった計算です。高すぎる!アリゾナのフェニックスまでの交通費や宿泊費など含めると観戦者の出費は相当な額になったと想像します。

高くて会場にいけない人はテレビ観戦。全米でテレビ観戦した人数は1億1150万人。日本の人口とほぼ同じです。広告費は当然高い。30秒のスポット広告1本の料金は450万ドル(約5億4000万円)です。試合の放送中に80を越すテレビ広告が流れましたが、上位トップ5が支払ったスポンサー代は約4億6000万ドル(約552億円)に達しました。世界で最も高いテレビ番組ですが、視聴率が49.7%だったので「元がとれた」とスポンサーは考えていると思います。

勝ったペイトリオッツの企業価値は26億ドル(約3120億円)。負けたシーホークスの価値は13億ドル(約1560億円)です。選手のギャラを含めた経費はそれぞれ1億5600万ドル(約187億2000万円)に達します。2つのチームの選手の平均年棒は210万ドル(約2億5200万円)。NFL全体の平均年棒の76万5000ドル(約9180万円)の2.74倍の計算です。

アメリカ人はスーパーボウルを観戦する際、チキンウィングを食べる習慣というか、伝統があります。いわゆる手羽先ですが、全米できのう消費されたチキンウィングは13億個と推定されています。通常の日曜日の28倍に相当します。アメリカの経済規模はやはり凄いとあらためて思いました。

 
[February 02, 2015]  No 01056549

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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