2分でわかるアメリカ

2015/01/28笑えない怖い話、フランス人はもう来ない

いま、イスタンブールにいます。でも、きょうはここに来るまでの笑えない話です。

東京を経由したので、成田空港に近いクラウンプラザホテルに宿泊しました。25日夜から一泊。部屋は15階。最も安い部屋を予約していたのですが、アップグレードされ上層階になりました。ビューが良く、快適でした。しかし、これが裏目にでました。

翌朝6時に目覚めました。原稿を一本書き、朝食をとるため部屋を出ました。その瞬間、強い揺れを感じました。地震? 部屋に戻り、NHKを見ると画面に「震度4」の表示が。再び部屋を出ると、エレベーターが止まっていました。ロビーに電話をかけても誰も出ない。非常用階段で15階からロビーに降りました。

エレベーターが再開するまで、ゆっくり食事をしようと決めました。普段より3倍の時間をかけて朝食を食べました。1時間後、エレベーターはまだ動いていませんでした。満腹の状態で15階まで階段で登る勇気がありません。コーヒーショップに戻り、もう一杯カプチーノをセルフでつくりました。まだ動かないので、もう一杯。さらにもう一杯。

カプチーノを飲みすぎて、お腹の中がチャプチャプの状態に。ロビー階のトイレに入りました。「何かがおかしいぞ」。よく見ると、女子トイレ。それほど地震で動揺していました。「やばいぞ。変態と思われてしまう」。女子トイレには幸い誰もおらず、セーフ。

「男子」トイレから出ても、まだエレベーターが停止状態だったので、ロビー階にあるコンビニをのぞきました。買いたいものは特になし。全く興味がない「一番」と書かれたTシャツを手にとっていました。バンドエイドをなぜか購入。

ロビーでは、フランス人が「日本の忘れられない思い出になった」と話していました。このフランス人は2度と日本に来ないと思います。外をみると、欧米系航空会社のクルーを乗せたバスが到着。長時間のフライトの後で疲労困憊した様子。彼らはまだエレベーターが止まっていることを知りません。可哀想すぎる。

空港で待ち合わせをした相手に電話をしたかったのですが、携帯は15階の部屋の中。フロントの電話を借りるも、電話番号が思い出せない。昔は歴史の年表を覚えるように電話番号をいくつも記憶していましたが、いまはiPhoneが記憶しているので番号がわからない。不安な時間が過ぎていきました。

結局、エレベーターが再開したのは、地震発生から2時間後。これだけ長くホテルのエレベーターが停止したのは、東日本大震災以来のことだそうです。ホテルの人は大変親切に対応してくれました。上層階にいる客のスーツケースを運ぶため、びっしょり汗をかきながら何度も非常用階段を上り下りしたホテルスタッフの姿に感動しました。

この日、2つのことを学びました。日本では時間に余裕をもって行動すること。そして、低層階の部屋をリクエストすることです。

 
[January 27, 2015]  No 01056545

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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