2分でわかるアメリカ

2015/01/27断トツに安い日本、高い欧州、そしてFRB

成田空港周辺のホテルに一泊しました。ロビーに集合した中国の団体客の多さに驚きました。円安を追い風に訪日観光客が1341万人と2年連続で過去最高を記録しましたが、中国人が83%増と伸び率が圧倒的に高いというニュースに納得がいきます。

空港内では、買い物をする中国人も目立ちます。洋服や小物、食料品などを買い漁っていました。中国人だけではなく、成田で買い物をする外国人が以前より増えていると思います。

なぜか。モノが安いからです。アベノミクスの影響で円相場が過去2年で大幅に安くなりましたが、いまのレートで換算すると、ホテル料金、空港のショップ、レストランなどは、アメリカやヨーロッパと比べ大幅に安い。アジア諸国と比べても安いと感じるほどです。かつては物価が高いことで知られた日本ですが、「失われた20年」とアベノミクスで、いまやG7の中で物価が断トツに安いです。統計をみるまでもなく明らかです。

ロサンゼルスの空港は、ミネラルウォーターのペットボトルが3ドル50セントします。この日のレートで約413円。成田空港の倍以上。コーヒーやチョコレートなども同様です。ロサンゼルス空港は市中より高い価格が設定されていますが、それを差し引いても日米価格格差があまりにも大きい。

対照的に、アメリカからヨーロッパを訪問すると、ヨーロッパの物価が高いと感じます。ECBが大規模な量的緩和を決めたことで、ユーロドルが11年ぶりの低水準まで下がりましたが、いまのレートで計算してもヨーロッパはまだ高い。ユーロドルが近い将来、パリティ(1.0)まで下落するとの見通しが増えていますが、物価を見る限り「ちょうど良い水準」ではないかと考えます。

アメリカ人は海外旅行で「強いドル」の恩恵を受けると思いますが、企業は違います。急激な為替相場の変化は、仕入れコスト、販売マージンに影響します。ドルは、ユーロと円だけではなく、ほとんどの通貨に対して大幅に高くなっています。アメリカ企業の業績、経済全体に今後じわりと影響することが確実です。

FEDウォッチャーとして知られるThe Wall Street Journalのジョン・ヒルセンラス記者は、週末に掲載された記事の中で、ドル高がアメリカの成長とインフレ率の伸びを減速させる可能性があると指摘しました。その上で、FRBが今年後半に利上げするという計画に「待った」をかけるかもしれないと伝えました。

 
 [January 26, 2015]  No 01056544

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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