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2015/01/23「世界通貨戦争」再び

われわれは通貨戦争のさなかにいる」。ゴールドマン・サックスのナンバー2であるゲーリー・コーン社長兼COOが22日、スイスのダボスで開かれている世界経済フォーラムで発言しました。コーン氏は「景気を刺激する簡単な方法は、通貨安だというのが大方の見方だ」と述べました。

「currency war(通貨戦争)」という言葉を、過去1週間、よく耳にします。 輸出競争力をつけるため、中央銀行が金融緩和により通貨安を誘導する動きが広がっています。

中央銀行にあたるデンマーク国立銀行は22日、民間の金融機関が中銀に保有している譲渡性預金の金利を0.15%引き下げ、マイナス 0.35%としました。今月2回目の利下げです。カナダ中銀は21日、政策金利を予告なく引き下げマーケットを脅かしました。一方、トルコ中銀は20日に予想より大幅な0.5%の利下げを決めました。

各国の中央銀行が競うように政策金利を引き下げたのは、ECBが量的緩和を決めるとの観測が広がっていたためです。自国通貨高を防ぐための予防的措置です。ECBは22日に開いた理事会で600億ユーロの量的緩和を決めました。原油相場の急落によるデフレ圧力も利下げの背景にあります。

日銀は超低金利と大型の量的緩和を実施、インフレ目標を達成するため緩和政策を継続する可能性が高いとみられています。一方、スイス国立銀行は、1ユーロ=1.20スイスフランという3年半続けた通貨の上限を撤廃しました。ECBの量的緩和によりユーロ売り圧力が強まり、上限を維持するための介入コストがあまりにも高くつくと予想したからです。ある意味で、ECBの政策の犠牲者だと言えます。

スイス国立銀行の決定を受け、スイスフラン相場が急騰しました。これにより、欧米のFX会社の一部や大手銀行が多額の損失を出しました。相場の不安定な状況はいまも続いています。Financial Timesは、ちょうど30年前にプラザ合意が成立したが、当時と比べ通貨の取引量が大きく、G7からG20に変わったことで、通貨問題で国際協調することが困難になっていると解説しました。世界規模の通貨安戦争が当面続く可能性が指摘されています。

 
[January 22, 2015]  No 01056541

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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