2分でわかるアメリカ

2015/01/22一般教書演説と2016年大統領選

オバマ大統領が20日夜、一般教書演説を行いました。国を取り巻く現状とそれに対応する政府の方針を示す重要な演説です。下院本会議場に三権の長が出席、演説は主要メディアがライブで国民に伝えました。「一般教書」は「State of the Union」を何年も前に有識者が日本語訳したものだと想像しますが、「施政方針」と訳したほうが実態に近いと考えます。

「対テロで決意表明」などと、就任後6回目となるオバマ大統領の一般教書演説を日本のメディアの多くが報じました。中東で勢力を広げる過激派組織「イスラム国」をはじめとするテロ組織の壊滅に強い姿勢で望むことは確かに演説で触れました。

しかし、演説のほとんどは、経済問題に割かれました。The Washington Postによりますと、テロ対策などを含む外交には10分、関連する安全保障には2分の時間が割かれました。オバマ大統領が一般教書演説で最も長い時間を割いたのは経済問題でした。25分と、オバマ大統領は演説のほぼ半分の時間を割きました

オバマ大統領の就任直後と現在を比べると、雇用が大幅に拡大、FRBの利上げが議論されるほど経済指標が改善、株式相場は大幅に高い水準で取引されています。オバマ大統領はその成果を強調、任期の残り2年を一段の景気回復に注力する方針を示しました。特に中間層を支援する一方で、高額所得者への増税を進める考えを明らかにしました。いわゆる格差の是正で、この問題は就任直後からぶれていません。

別の言い方をしますと、オバマ大統領は、富裕層に近い共和党との違いを明確にし、2016年の次期大統領選挙への道筋をつけることを狙ったとみられます。アメリカの大統領の任期は最大で2期8年ですので、オバマ大統領が再度出馬することはありません。ただ、民主党の後継候補を支援すると同時に、候補者として名前があがっているヒラリー・クリントン氏らに移民政策などを継承してほしいという願いが込められています。

 
[January 21, 2015]  No 01056540

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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