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2015/01/20スイスショックの大余波

スイスのビトマーシュルンプフ財務相は18日付けの国内各紙に掲載されたインタビューの中で、スイス国立銀行が予想外に1ユーロ=1.20フランの上限を撤廃したことを受けてスイスフラン相場が急上昇したことについて、国内経済は対応可能だとの見方を示しました。財務相が各紙の記者を呼んで共同インタビューに応じたのは、内外の反応が極めて大きいためです。

スイスフランの扱いが多かったアメリカのFX最大手FXCMは、2億2500万ドルの債務が発生、自己資本規制に抵触する恐れがあると発表しました。株価が90%近く下落、投資会社のルーカディア・ナショナルが3億ドルを緊急融資したことで破たんを免れました。また、アルパリUKは経営破たんの状態に陥りました。救済されたFXCMやオーストラリアのペッパーストーンが買収交渉しているという情報があります。さらに、シティグループ、ドイチェバンク、バークレイズをはじめとする大手銀行やヘッジファンドの一部が巨額の損失を計上しました。

当然ですが、スイス国内も荒波に見舞われました。スイス銀行大手のクレディスイスの時価総額は約20%縮小しました。食品メーカーのネスレや腕時計のスウォッチなど輸出型企業の株価が過去17-20年で最大の下げを演じました。

一方、スイスの輸入業者は為替差益で沸いています。The Wall Street Journalは、野菜から洋服までスイス国内の小売店の商品が大幅に値引きされた、とチューリヒ発で報じました。それによりますと、スイス2位のスーパーマーケットでは、EUから輸入された200品の果物や野菜が大幅に値引きされました。大手家具店は、約1000もの家具や日用品の価格を30%超値下げ。さらに、大手旅行代理店では、ギリシャ、スペイン、イタリア、ポルトガル、トルコへのツアーの料金が15%引き下げられました。

今週21日には、マーケットにも影響を与えるダボス会議が始まります。オーストリアとの国境に近いスイスのリゾート地ダボス近くの空港には、世界中のVIPを乗せたプライベートジェットが続々と降り立っています。格差の問題、テロ対策、原油安の問題などに加えて「スイスショック」が大きな話題になることは間違いないと思います。

スイスは人口800万人の小国ですが、 スイス国立銀行の上限撤廃というブラックスワンの余波がまだまだ続きそうです。

 
[January 19, 2015]  No 01056538

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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