2分でわかるアメリカ

2015/01/16「大きくて悪い」アレの復活

アメリカに住んで15年になりますが、いまだに理解できないことが少なくありません。その一つがピックアップ・トラックです。

SUVでもミニバンでもトラックでもないピックアップ・トラック。日本でもヨーロッパでも見かけない巨大で燃費が悪いクルマです。でも、アメリカには「かっこいい」と思う人が結構います。テキサスなどにいくとピックアップ・トラックばかり走っています。

かつて、トヨタのアメリカ人社員が「ピックアップ・トラックを開発すべきだ」と強く主張した際、トヨタの日本人幹部は首をひねったそうです。「あんな醜い車は売れない」と。しかし、トヨタのピックアップ・トラックは、いまやドル箱になっています。トヨタは北米本社をテキサスに移しましたが、「本当のアメリカを知る」ことが狙いの一つだったのかもしれません。

デトロイトで北米国際モーターショーが開催されています。次の土曜日から一般公開されます。過去2、3年のモーターショーでは、原油高と景気低迷などを背景に、燃費が良いクルマやハイブリッド、電気自動車の新型車やコンセプトカーが相次いで発表されました。去年11月に開かれたロサンゼルス・モーターショーでも電気自動車や小型車がスポットを浴びました。しかし、今回のデトロイトは違います。

AFPは、「Big and Bad is Back(大きくて悪いが戻ってきた)」との見出しで、デトロイトで、主要メーカー各社が新型のピックアップ・トラックを相次いで発表したと伝えました。日産が巨大なTitan(タイタン)を発表、トヨタは新型Tacoma(タコマ)をお披露目しました。ピックアップ・トラックのシェアは、GM約30%、一番人気のF150を持つフォードが約30%、そしてクライスラーが約20%で、ビッグ3の合計シェアは80%を占めています。利益率が高いカテゴリーだけに、トヨタと日産はシェア拡大に必死です。

テスラを筆頭に、アメリカは電気自動車の分野で世界のトップを走っています。一方で、燃費が悪いピックアップが大人気。アメリカは面白い国だと思います。

 
[January 15, 2015]  No 01056536

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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