2分でわかるアメリカ

2014/12/18怖すぎる最大級のハッカー攻撃

ロサンゼルスのカルバーシティにあるソニーピクチャーズがハッカー攻撃されている事件の第2弾です。「されている」と書いたのは、現在進行形だからです。事態は解決に向かうどころか、深刻化しています。

ハッカーはこれまでに、現在の役員と社員、そして元役員と元社員全員の給与明細、詳細な個人情報をリークしたほか、映画やテレビの契約書などを表に出しました。最近では、医療保険のデータやspe.sony.comを使ったメール、クレジットカードのログイン情報などもリークしました。

制作のトップであるエイミー・パスカル共同会長と大物プロデューサーの醜いやり取りもリークされました。プロデューサーはメールの中で、アンジェリーナ・ジョリーについて、「a minimally talented spoiled brat(才能がほとんどない、甘やかされて育ったガキ)」と表現、パスカル氏は「クレオパトラ」と呼んでいました。このほか、オバマ大統領に関し人種差別的な言及もあり、欧米のメディアが大きく報じました。パスカル共同会長は不適切な表現を謝罪しましたが、信頼を回復できたかどうかは不透明です。

ニューヨーク・タイムズによりますと、ハッカーは、ソニーピクチャーズのサーバーなどがあるアメリカのほか、シンガポール、タイ、キプロス、ポーランド、イタリア、ボリビアの拠点も攻撃、ソニーピクチャーズのほぼ全てのデータにアクセスされたと言えます。ソニーピクチャーズは20年前にも、財務情報が業界誌バラエティにリークされたことがありましたが、今回のリークは天文学的で、企業へのハッカー攻撃としては過去最大かもしれません。

ハッカーは自らを「Guardians of Peace(平和の監視者)」と名乗っています。北朝鮮関与説もありましたが、内部もしくは元内部関係者の可能性があるとの指摘もあります。

この問題、日本ではほとんど報じられていませんが、親会社の家電部門が苦戦するソニーグループに大きな打撃になることは間違いないと思います。アンジェリーナ・ジョリーのほか、個人情報をリークされたハリウッドスターや監督、プロデューサーがソニーピクチャーズから離れることが予想されます。映画制作もストップした状態だとする内部関係者の情報もあります。ロイターは、元社員が情報漏洩でソニーピクチャーズに対し訴訟を起こしたと伝えています。

ソニーピクチャーズへのハッカー攻撃を巡る騒動は年を越しそうです。

 
 [December 17, 2014]  No 01056516 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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