2分でわかるアメリカ

2010/08/07ハリウッド映画に日本のスター?


ハリウッドの映画関係者の間で、先週末のウォール・ストリート・ジャーナルの記事が話題になっています。「外国がハリウッドを変える」と題する記事です。

パラマウント映画は、最近、2004年の「アンカーマン」の続編を制作しないことを決めました。

制作費がハリウッドとしては低い2000万ドル(約17億4000万円)だった「アンカーマン」は、劇場で9000万ドル(約79億2000万円)の興行成績をあげました。しかし、海外での興行成績は、わずか500万ドル(約4億3500万円)でした。なぜか。アメリカのジョークが海外で受けなかったためです。  

ドル箱だったDVDの売り上げが急速に萎む中、映画各社は、高額な制作費や広告宣伝費用などを回収するため、海外の市場を重視しはじめたのです。

「アンカーマン」のようなアメリカ的なコメディや黒人向けの映画の制作を減らす一方映画を海外受けするよう脚本を書き直したり、外国のスターの採用を増やしはじめたのです。

「G.Iジョー」という映画は、アメリカの兵隊の話で海外市場では受けないと見られていました。しかし、蓋を開けてみると3億2000万ドル(約262億円)の興行成績の半分以上はアメリカの外で稼ぎ出しました。日本でも人気の韓国のスター、イ・ビョンホンと南アフリカのスターを起用したことが成功の背景にあると分析されています。

ユニバーサルは、ハズブロ社のゲームを題材にした「バトル・シップ」を制作中です。宇宙人がアメリカを攻撃するという典型的なハリウッド映画です。しかし、「あまりにもアメリカすぎる」ということで、「宇宙人が世界を猛撃する」というテーマに書き直されました。外国の俳優も登場する予定です。

ハリウッドが、ここまで外国のマーケットを意識するのは、DVD市場の縮小だけではなく、中国やロシアで映画館の数が急増しているからです。中国には現在5000の映画スクリーンがありますが、5年後には3万5000スクリーンと7倍に増える見込みです。

アメリカの象徴ハリウッドにも、やっとグローバル化の波が押し寄せた、という感じです。日本のスターも、渡辺謙さんらに続いて続々とハリウッド映画に出演する日も遠くないかもしれません。

[August 06, 2010] No 010222

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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