2分でわかるアメリカ

2014/11/22「お金持ちの掟 61」1%と 0.01%

2011年にウォール街近くの公園で抗議行動を続けた「Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」のスローガンは、「所得上位1%がアメリカの全ての資産の3分の1以上を独占している」というものでした。所得格差が拡大、お金持ちはさらに資産を増やし、中間層と低所得者層は貧乏になっていることに反発したものです。

あれから3年。お金持ちはさらにリッチになりました。

The New York Timesは、大型のプライベート・ジェットの売上が絶好調だと報じました。大型ジャンボを含む高額のプライベート用旅客機は生産が追いつかず、注文しても長い間待たされるとしています。一方で、小型で比較的安価なプライベート・ジェットは、大幅値引きしても買い手が見つからない状況だとTimesが伝えました。

いま、お金持ちの中で格差が拡大しています。カリフォルニア大学バークレー校経済学部のエマニュエル・サエズ教授とロンドン・スクール・オブ・エコノミックスのガブリエル・ザックマン教授の共同研究論文によりますと、過去30年でアメリカの所得格差が拡大、「所得上位0.1%が独占する資産シェアが拡大、それ以上に0.01%の資産シェアは大きくなった」としています。

1986年から2012年の所得上位1%の資産は年平均3.9%増加しました。そして、0.01%の所得はその倍以上のペースで増えました。個人資産が少なくとも1億1100万ドル(約130億円)を持つ0.01%のスーパーリッチのアメリカ全資産に対するシェアは、2012年から2倍になりました。

2人の教授は、「アメリカでは富の集中が加速している」「富豪はさらにリッチになったが、小金持の資産はそれほど増えていない」としています。そしてトップ中のトップに富が集中する現象を「Snowball effect(雪だるま効果)」と呼びました。

大型のプライベート・ジェットのほか、大型の高級ヨット、高額の絵画、希少価値のワイン、豪邸などが飛ぶように売れています。中間層が支えた経済大国のアメリカは、年を追うごとに歪な構造になっています。
 
[NOVEMBER 21, 2014]  No 01056498    
 





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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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