2分でわかるアメリカ

2014/11/20日本とは違うApple Payは便利で簡単だった

アップルが今月から導入したアップル・ペイ(Apple Pay)をはじめてつかいました。今頃?と言われるかもしれませんが。実は、今月初めにアップル・ペイが使えるiOS 8.1をインストールしようとしたのですが、メモリー不足で出来ませんでした。1週間ほどして、使わないアプリを削除、やっとインストールできました。

しかし、その後も問題がありました。使ってみたかったのですが、アップル・ペイに対応した端末を置いてある小売店での買い物がなく、そのままにしていました。昨夜、近所のホール・フーズというオーガニック系のスーパーで使う機会がやっと訪れました。

どうだったか。非常に簡単で便利でした。パスブックにいれてあるクレジット・カードから使用したいカードを選択、指紋認証のメインボタンを押しながらiPhone6を端末にかざすだけ。「ピ」と音がしたら終了。iPhone6の画面にクレジットカードに課金された金額が表示されました。一瞬でした。

「日本では当たり前?」。しかし、日本のFeliCaと呼ばれる技術が使われた非接触型ICカードとは微妙に違います。スイカなどは、カードに入金、それがなくなるまで使用します。なくなったら、再び入金。カードを無くしたら全てを失う。カードに残った小額をそのまま使わない人が多い。

これに対し、アップル・ペイは、既に持っているクレジット・カードやデビットカードをバーチャルに使うもの。このため、入金する必要がない。仮にiPhone6が盗まれても、指紋認証ができないので、本人以外使えない。最悪、映画のように指紋が盗まれても、損害や被害額をクレジットカードの保険がカバーするので、全てを失う心配がない、などの特長があります。

もうひとつの違いは、データの記録です。日本のFeliCa方式は、決済記録が残り、企業がマーケティングなどに使います。いわゆる「ビッグデータ」です。しかし、アップル・ペイは、アップルも小売店も一切記録しません。企業目線の日本に対し、アップル・ペイはユーザーの利便性だけを追求したものです。

問題は、まだ一部の店舗でしか使えないことです。しかし、これは時間の問題。今後、全米で急速に対応端末が普及する方向です。リサーチ会社のフォレスターは、5年後の2019年までに、アメリカでの非接触型カードにより取扱高が910億ドル(約10兆6500億円)に達すると予想しています。ペイパルやGoogleも類似したサービスを提供していますが、アップル・ペイの一人勝ちになるとの予想が少なくありません。

アメリカ以外では、クレジットカードの取扱高が大きいイギリス、フランス、ドイツなどでもアップル・ペイが急速に普及しそうです。日本はどうか。現金社会で、会社が強い日本では、FeliCa方式がゆるやかに拡大するのではないかと予想します。アップル・ペイが導入されない可能性もあります。日本の「ガラパゴス化」が一段と進む可能性があります。

 
 [NOVEMBER 19, 2014]  No 01056496    

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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