2分でわかるアメリカ

2014/11/15「お金持ちの掟61」幸せをお金で買う

娘がアメリカの学校で教育を受けているので、最近の日本の教育事情は把握していません。日本で教育を受けた自分は、「貧しいことは美しい」と教えられました。「一杯のかけそば」などがブームになったのは、そうした背景があるのだと個人的に考えます。異論もあると思いますが。一つ言えることは、「成功してお金を儲けた人」に対し、日本人はネガティブに対応する傾向があるこということです。

アメリカでは全く逆です。「お金持ちは成功者」と、幼稚園の頃から教えられます。尊敬されます。高校1年(日本の中学3年)の娘が、将来の夢は「投資家になる」こと。娘の友人に聞くと、「起業家」とか「ビジネスウーマン」とかいう答えが返ってきました。「学校の先生」になりたいというアメリカの子供はほとんどいません。給与水準が高くないことを知っているからです。

「Can Money Buy You Happiness?」という記事がThe Wall Street Journalに掲載されました。「幸せはお金で買えるか」という意味です。幸せはお金で買える訳がない、という内容を想像していたのですが、「収入の多い人は、生活に苦労している人よりも幸せだ」と書いてありました。さすが、アメリカを代表する新聞!

記事は、収入の多さより、その使い方が問題だとしています。具体的には、自分自身が贅沢をするより、お金を人にあげる方が幸せな気分になる。また、自分自身のために使う場合は、モノより旅行などの経験のために使う方が、幸福度が高いとする最新の研究結果を紹介しています。

家族ぐるみで親しくしているロシア人の富豪は、旅行にお金を使っています。イタリアやカリブ海、スイスのスキーリゾートをはじめ,年に何度も家族で旅行しています。レストランやワインにもお金を使っています。その一方で、服装はTシャツにジーンズでシンプルです。モノにはこだわりを持っていません。友人は、経験にお金を使い本当に幸せそうです。

The Wall Street Journalは、カリフォルニア大学リバーサイド校の心理学者の研究を紹介しています。周りの人がお金持ちなら、もっとお金が欲しくなる、として多くのモノを持っても幸せになれないことを説明するためです。幸せが薄れて、欲望が増すことを「ヘドニック・トレッドミル現象」というそうですが、そうならないよう、お金をうまく使いないさいということです。「アメリカンドリーム」を実現して資産を築く、そして、自分の経験のためにお金を使い、人のためにお金を使うということが、「お金持ちの掟」といえるかもしれません。


[NOVEMBER 14. 2014]  No 01056493    
 

    







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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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