2分でわかるアメリカ

2010/08/04ニューズウィーク誌の値段は1ドル


ワシントン・ポストは、「経営が悪化していた傘下の週刊誌ニューズウィークを、高級音響機器メーカーの創業者であるシドニー・ハーマン氏に売却した」と2日発表しました。  

ハーマン氏は1953年にステレオ機器メーカーを創業し、国際的な企業に育て巨額の富を築きました。3年前に引退していて、現在はロサンゼルスの大学院に研究所を設立する慈善活動に従事しています。奥さんは民主党の下院議員です。

売却の条件などは公表されていませんが、一部報道によりますと、売却価格はわずか1ドルただ最大で7000万ドル(約60億円)の債務を引き継ぐそうです。

ハーマン氏は350人の社員のほとんどを雇用する意向を示していますが、編集責任者のジョン・ミーチャム氏は、退社する方針です。

ミーチャム氏は、ジャーナリストの最高の賞であるピューリッツァー賞の受賞者で、出版大手のランダム・ハウスと2つの伝記を書く契約を交わしています。さらに、テレビ番組の制作にも関わっている名物編集者です。ハーマン氏が編集のトップに誰を指名するのかは重要です。編集方針によって雑誌の中身が大きく変わるからです。

ニューズウィークの発行部数は、かつての半分以下の150万部です。固定費が高く、営業赤字が続いています。

シドニー・ハーマン氏は91歳。71歳の名門ニューズウィークの再建を人生最後の大仕事と考えたのでしょうか。ニューズウィークの経営は一種のギャンブルといえますが、ハーマン氏がどう再建するのか楽しみです。

[August 03, 2010] No 010219

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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