2分でわかるアメリカ

2014/10/30商品ブームの終焉が重い

南米ブラジルの大統領選挙は、決選投票の結果、現職のジルマ・ルセフ大統領が再選を果たしました。僅差の勝利でしたが、労働者にとっては大勝でした。同時に、投資家にとって敗北だったとCNBCが伝えました。

貧困層に現金を支給、労働者の最低賃金を大幅に引き上げるなど手厚い貧困対策が、ルセフ大統領の勝因だと分析されています。人口2億人のブラジルでは、約40%が月収約7万円以下で暮らしています。ルセフ政権の貧困対策により、4000万人以上が貧困層から脱却しました。こうした層が、ルセフ大統領を勝利に導きました。

ルセフ大統領は選挙後も手厚い貧困対策を続けると同時に、サッカーのワールドカップ後に低迷している経済を立て直すことが急務です。しかし、エコノミストの多くは先行きを疑問視しています。

社会福祉への歳出を大幅に増やしたことでインフレ率が上昇、財政赤字が拡大しました。企業活動や為替市場への過剰な介入も景気を悪化させているとの批判があります。2年後にリオデジャネイロ五輪を控えていますが、財政赤字対策や税制改革など難題が山積みです。

ブラジル経済は、コモディティ・ブームの恩恵を受け高い成長を実現しました。中国などへの輸出が大幅に伸び、経済全体を支えました。しかし、中国経済が減速、その影響でコモディティ相場が下落基調にあることでブラジル経済に暗雲が広がっています。選挙の結果を受け、改革への期待が縮み、サンパウロの株式相場と通貨レアル相場が不安定になっています。

ブラジル以外の資源国も、コモディティ・ブームの終焉の影響を受けそうです。オーストラリア、南アフリカなどの通貨が不安定になっているのはそのためです。ブラジルはアメリカの裏庭であり、新興国の中でウォール街の関心が高いことから、ルセフ大統領の2期目に目が離せません。

 
 [OCTOBER 29,2014]  No 01056481    

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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