2分でわかるアメリカ

2014/10/16日本と欧米、視点の違い

安倍首相が15日、アメリカのオバマ大統領と電話で協議しました。エボラ出血熱の感染拡大防止での協調を確認する電話会談でした。日経新聞は「両首脳が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の早期解決に向けて連携する方針を確認した」と報じました。

日本のメディアはTPPに関して、10日に再開した日米事務レベル協議で、最終決着に向けて協議が進んでいると伝えています。一方、欧米メディアは少し違ったトーンで交渉状況を報じています。

Financial Timesは10日、アメリカ政府の交渉責任者であるマイク・フロマン氏が、TPP交渉が進まないのは日本に責任があると批判していると伝えました。TPP参加の12カ国は、全ての産品に対する関税をゼロにすることを公約しているのに、安倍首相は国内の政治圧力を受け、牛肉、豚肉、米、そして他のセンシティブ(政治的に微妙な)産品の関税を維持しようとしていると報じました。

日本と欧米の報道トーンが異なることがあります。特に、日本が絡む国際会議や交渉に関する報道では少なくありません。G7やG20などで、トーンが相反することすらあります。これは、日本の記者が外務省や経済産業省などのブリーフィングを主な情報源にしているのに対し、欧米の報道は複数の筋から得た「英語」の情報から記事を作成することが多いからです。日本には優秀な記者が多くいますが、記者クラブや官僚による「日本語」の情報に頼りすぎる傾向があります。

ただ、TPP交渉をめぐる報道に関しては、どちらが正確といえば、どちらでもないと思います。双方がメディアを使って揺さぶりをかけている可能性があるからです。メディアも交渉手段の一つと言えるかもしれません。TPP交渉は来月、ヤマ場を迎えます。


 [OCTOBER 15, 2014]  No 0105641

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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