2分でわかるアメリカ

2014/10/03今年も10月は普通じゃない

世界の株式相場が不安定です。前日に急落したニューヨーク株式市場は、きょうも売りが先行しました。10月は歴史的に相場が不安定になることが多く、1929年の大恐慌のきっかけとなった暴落や1987年のブラックマンデーも10月に起こりました。毎年「10月は怖い」と言われるのですが、今年は特に不安定要因が多く、投資家は慎重になっています。

投資家が最も気にしているが地政学リスクです。特に香港の民主派による抗議デモの拡大は、1989年の天安門事件の記憶を呼び起こし、最大の懸念材料になっています。イラクとシリアの「イスラム国」、ロシアとウクライナの問題、ブラジルの大統領選挙も不透明です。さらに、アメリカでは「エボラ熱」の影響が懸念されていて、航空株が全面安になっています。

金融政策は転換点を迎えます。FRBが今月29日に開くFOMCは量的緩和(QE3)の終了を発表するとみられます。量的緩和により流動性が高まり、株式相場を支えてきたとされていて、量的緩和の終了はじわじわと影響しそうです。さらに、次の展開であるFRBの利上げを巡る思惑が相場に影響することが確実で、これまで以上に経済指標に敏感になりそうです。

ヘッジファンドの多くは他の金融機関と異なり11月末に会計年度末を迎えます。今年はヘッジファンドの多くが苦戦していて、決算を前に利益を確保する動きが加速すると予想されています。いわゆる「ウィンドウ・ドレッシング」ですが、これも相場の変動要因です。

さらに、11月4日のアメリカの中間選挙を睨んだ思惑も相場に影響する可能性があります。中間選挙は、上院議員の3分の1と下院の全議席が対象になります。現在のアメリカの議会は、上院は民主党、下院は共和党がそれぞれ過半数を持った「ねじれ議会」になっています。上院も共和党が過半数を確保すると議会は一枚岩になりますが、民主党のオバマ大統領との対立が一段と深刻化する可能性があります。マーケットは、政治の不透明感を特に嫌います。

ダウ、S&P500、ナスダックの3つの指標以外に、投資家はラッセル2000という株価指標を気にしています。ラッセル2000は今年7月にピークをうった後に10%下げました。下げ相場に入ったことを示しています。ウォール街関係者にとって、不安を抱えた1か月になりそうです。
 
 
 [OCTOBER 02, 2014]  No 0105632

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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