2分でわかるアメリカ

2014/09/30アメリカが注目する2人のジャパニーズ

ビル・ゲイツ氏、故スティーブ・ジョブズ氏、ジェフ・ベゾス氏、マーク・ザッカーバーグ氏、そしてイーロン・マスク氏。アメリカには顔が見える起業家(もしくは企業家)が大勢います。ウォーレン・バフェット氏やジョン・ポールソン氏らウォール街にも顔が見える投資家が少なくありません。メディアの見出しは、所属する会社ではなく、個人名が見出しになります。

日本人は顔が見えないとよく言われます。「会社」「団体」で行動することが多く、リーダーの顔が見えないからです。ソニーの共同創業者である故盛田昭夫氏は、長年に渡って「日本を象徴する顔」でした。アメリカ人で知らない人はいませんでした。「失われた20年」で日本経済が低迷、それに合わせたように「顔が見える日本のビジネスマン」は出現しませんでした。しかし、いま、アメリカで非常に目立つ2人の日本のビジネスマンがいます。

ソフトバンク創業者の孫正義氏はアメリカが最も注目するビジネスマンの1人です。「Masayoshi Son」がときどき新聞の見出しになります。写真が頻繁に掲載されます。きょう29日の主要紙の朝刊にも孫正義氏の顔写真が多く掲載されました。アニメ映画会社、ドリーム・ワークス・アニメーションの買収交渉をしているという記事です。The Wall Street Journalは、「孫正義氏は、中国のアリババのIPOで手に入れた利益を早くも投資に回そうとしている」と報じました。

ドリーム・ワークス・アニメーションは、元ディズニー幹部のジェフリー・カッツェンバーグ氏と映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏、そして音楽界の大物デヴィッド・ゲフィン氏の3人が共同創業したドリーム・ワークスSKGから2000年にスピンオフした会社です。ロサンゼルス郊外のグランデールに本社を置くドリーム・ワークスは、「シュレック」「マダガスカル」「カンフーパンダ」が大成功。 しかし、今年公開した「ミスター・ピーボディ&シャーマン」「ヒックとドラゴン2」がいずれも失敗、4-6月期は1590万ドルの赤字に落ち込みました。

規模は小さいですが、出発が著名人3人、CEOのカッツェンバーグ氏がオバマ大統領と関係が近いこともあり、知名度が高い企業です。アメリカのアイコン的な企業を孫正義氏が主導で買収交渉していることは、インパクトが大きく、主要メディアの大きな報道にも繋がっています。携帯電話会社スプリント買収の際も同様でしたが、孫正義氏個人のことが詳しく伝えられています。

もう1人、アメリカで目立つ日本人ビジネスマンは、楽天の三木谷浩史氏です。今月はじめのEBatesを含め、相次ぐ欧米企業の買収は、その都度、三木谷氏の写真つきで大きく報じられます。推定23億円とされる新居を建設したプライベートなニュースも大きく伝えられました。

2人に共通しているのは、英語が流暢なこと、欧米的なスピード経営です。日本には数多くの優秀なビジネスマンがいますが、アメリカでの知名度の点では、2人が突出していると思います。顔が見えるジャパニーズ・ビジネスマンの3人目、4人目が出てほしいです。
 
 
[SEPTEMBER 29, 2014]  No 0105629

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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