2分でわかるアメリカ

2014/09/09次のFOMCの読み方

アメリカの金融政策を決めるFRBのFOMCが来週16日と17日の2日間に渡って開かれます。FRBは今年3月以降、量的緩和(QE)を10月に終了し、その後は「長い間に渡って(considerable time))」という表現で事実上のゼロ金利を続ける意向を示してきました。この表現を変更するかどうかが最大の焦点です。

FOMC前に発表される経済指標で最も重視された8月の雇用統計は予想外に弱い内容でした。これを受け、ウォール街が注目する2人の「FEDウォッチャー」が次のFOMCの見通し記事を寄稿しました。

The Wall Street Journalのジョン・ヒルセンラス記者は、FRB内の利上げをめぐる議論が過熱するが、マーケットへの影響などを考えると声明の文言を変更することは簡単ではないと伝えました。弱い雇用統計が発表された直後だけに、早期利上げの観測を生みたくない一方、雇用が改善し、インフレ率が上昇しても低金利を継続するとも思われたくないと考えているとしています。

また、ヒルセンラス記者は、低金利からの出口戦略もFOMCの議題になるだろうと報じました。具体的には、タイミングが訪れた際にどのように金利を引き上げるかだと解説しました。前回のFOMCで、新たな2つの政策金利を使う戦略について議論したが、結論が出なかったとしています。イエレン議長が戦略の詳細を発表する可能性があると伝えました。

もうひとりのFEDウォッチャーであるFinancial Timesのロビン・ハーディング記者は、今後の金融政策の方向を示す「フォワード・ガイダンス」の金利をめぐる文言が次のFOMCの議題になると報じました。過去数日、ハト派とタカ派、地区連銀の総裁、そしてFRB本部の理事らが「新たな文言」が必要だと発言しているが、コンセンサスは取れていないとしています。FOMCが文言を変更することはパズルのようなものだと解説しました。

2人のFEDウォッチャーが共通しているのは、利上げのタイミングをめぐる議論が次のFOMCの主要テーマになることです。ただ、結論が出ない可能性があることを示唆しています。次のFOMCの後にイエレン議長の会見を予定しています。10月に会見はなく、その次は12月です。これを考えると、17日のイエレン議長の会見、そして2週間後に公表される議事録が大きな材料になりそうです。
 
 
 [SEPTEMBER 08, 2014]  No 0105613

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.10.23 更新当たったらビリオネアアメリカでは州によって宝くじのルールが異なりますが、多くの州で販売されている「メガミリオン」の1等(ジャックポット)賞金が過去最高になり話題を集めています。メガ…
  • 2018.10.20 更新黄色いクルマが消える日ロサンゼルスはカリフォルニアらしい晴天でした。気温は28度。日本人の感覚では「暑い」と思うかもしれませんが、乾燥していて心地よい。5時間のフライトでニューヨーク…
  • 2018.10.19 更新カショギ氏の「最後のコラム」ワシントンポストが18日、行方不明のサウジアラビア人のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏のコラムを掲載しました。「アラブ諸国に必要なのは表現の自由」と題するコ…
  • 2018.10.18 更新米財務省の為替報告書※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカ財務省が為替報告書を公表する予定。アメリカ東部時間の…
  • 2018.10.17 更新財政赤字、トランプ氏の主張と違った※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)大規模な減税分は高い経済成長で相殺される。トランプ政権が去年…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ