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2014/09/06「お金持ちの掟51」永遠の旅行者

1990年台前半にベルギーのブリュッセルに駐在していた際、年間200日出張した年があります。申告で所得税が全額戻り、喜んだことを覚えています。「税金がないと、どれほど楽か」と。

富豪のロシア人の友人は、子供の春休みはカリブ海をはじめとするリゾート、夏休みはイタリアのトスカーナ地方、続けてドバイの高級アパートで過ごします。ロサンゼルスで過ごすことも多いのですが、年183日を超えて滞在することはありません。居住者と見なされ、所得税が発生するからです。税金は、所得税率が低いモスクワで納めています。

「パーマネント・トラベラー」という言葉を日本のメディアやブログなどでときどき見かけます。節税のために、各国を点々としながら生活する人を指します。「永遠の旅行者」と訳せると思います。実はこれ、日本語英語です。欧米では、Perpetual Traveler(パーペチュアル・トラベラー)と呼ばれます。イニシャルにすると「P.T.」で同じなのですが、偶然の一致もしくは最初に使った日本人が間違った可能性があります。

パーペチュアル・トラベラーという言葉が使われはじめたのは、2000年に発行されたW.G.ヒル博士の「P.T. “Perpetual Traveler”」という本がきっかけです。自らが資産家のヒル博士が、合法的に税金を払わない、もしくは大幅に節税する方法を提唱したものです。ヒル博士は目的に合わせて5つの理論を示しています。?国籍を持つ国?ビジネスで所得を得る国?居住地として登録する国?資産運用をする国?余暇を過ごす国の5つを使い分けるという「掟」です。例えば、日本国籍を持ちながらシンガポールに居住、日本での所得は源泉徴収のみ、キャピタルゲイン税がないシンガポールで資産運用し、休暇はリゾートで過ごすというライフスタイルです。これに近い生活をしている人の話をたまに耳にします。

理論的にそうだと思います。しかし、実際には、言葉や習慣の違い、食事の問題など大きく、パーペチュアル・トラベラーをはじめたものの、途中で断念した人も少なくありません。海外に分散投資することは有効かもしれませんが、永遠に旅行者になることは、かなり疲れると個人的に思います。

 
[SEPTEMBER 05, 2014]  No 0105612






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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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