2分でわかるアメリカ

2014/08/30「お金持ちの掟50」イエレン議長の資産運用

アメリカ国内の資産格差が拡大しているというレポートをよく目にします。統計にも出ています。国勢調査事務所が8月21日に公表した報告書によりますと、資産額を多い順に5つに分類、上位の2つのグループと下位の3グループの格差が過去10年で拡大しました。上位20%の資産額の中間値は74万1210ドルから89万9608ドル(約9000万円)に増えました。一方、下位20%の資産は1314ドル(約13万円)から増えていません。ここでいう資産とは、住宅、退職後の特別口座を含めた預金、株式、債券の合計額から借金を引いた額のことです。

資産は、預金金利、株式相場や債券相場などで変動します。つまり、FRBの金融政策に左右されるということです。それでは、FRBのトップであるジャネット・イエレン議長はどれくらい持っているのか。

きのう28日に公表されたイエレン議長夫妻の資産は530万ドル(約5億3000万円)〜1410万ドル(約14億1000万円)でした。レンジでしか公表されないため、正確な額はわかりません。ただ、副議長だった2013年に公表されたレンジと比べ少なくとも8%増えたことがわかりました。イエレン議長の夫は、ノーベル賞受賞の経済学者ジョージ・アカロフ氏です。

イエレン議長の資産を最も押し上げたのは株式です。石油のコノコ・フィリップスとフィリップス66、衛星テレビのディレクTV、化学大手のデュポン、医薬品大手のファイザー、文具小売り大手のオフィス・デポ、防衛産業のレイソン、鉄道のノーフォーク・サザン、そして21世紀フォックスの株式を保有しています。いずれも伝統的な大型株で、シリコンバレー企業の株式は持っていません。高利回りの社債に投資するヴァンガードのファンドにも投資していました。

長年勤めたカリフォルニア大学バークレー校から年金を受け取っていることもわかりました。興味深いのは趣味である切手のコレクションについても資産公開していることです。長年収集していて、価値は1万5000ドルから5万ドル(約500万円)とされています。これについては、資産価値は横ばいでした。

FRB幹部の個人資産も公開されました。最も資産を持っていたのは、ジェローム・パウエル理事で、資産額は1550万ドルから3630万ドル(約36億3000万円)でした。アディダス、アリアンツ、UBSなどヨーロッパ企業の株式保有が目立ったほか、ETFに投資していました。イエレン議長とパウエル理事を含めFRBの幹部はいずれも、スーパーリッチではありませんが、資産額上位トップグループに入る資産家でした。


 [August 29, 2014]  No 0105607







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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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