2分でわかるアメリカ

2014/08/22オレンジジュースを飲まなくなったアメリカ人

経済、金融報道で定評があるThe Wall Street Journalが定期的にアメリカのオレンジジュース市場の動向を伝えています。最近では今週月曜日18日に報じています。アメリカのオレンジジュースの消費量が記録的な低水準になっているという記事です。

アメリカ人の朝食は、オレンジジュースが定番中の定番です。各家庭では間違いなく、コーヒーとともにオレンジジュースが出されます。ホテルの朝食でも、オレンジジュースはいるかと必ず聞かれます。スーパーマーケットでは、日本人が驚くほど多種多様のオレンジジュースが並んでいます。アメリカ人が朝食にオレンジジュースを飲むようになったのは、いろいろな説があるのですが、広告宣伝効果説が有力です。ただ、その習慣が変わり始めています。

ニールセンの調査によりますと、8月2日までの4週間のアメリカのオレンジジュースの消費量は3496万ガロン、前年同期比で9.2%も減りました。統計を取りはじめた2002年はじめ以降で最低水準です。オレンジジュースの先物市場の売買高は急減、「崩壊」といってもいい状況にあります。アメリカ最大のオレンジの産地であるフロリダの生産高はピークだった1998年から半減しています。

なぜか。アメリカ人の消費嗜好の変化があります。少し前まで存在しなかったアイスコーヒーが人気になったり、ザクロやマンゴージュースなど多様なジュースが増えたこと、エナジードリンクなど新規参入商品が多く、消費者のオレンジジュースへのこだわりがなくなってきています。

消費量が大幅に減ったにも関わらず、オレンジジュースの値段は上昇しています。フロリダでオレンジの病害が発生、天候不順もあって収穫量が減っていることが背景です。アメリカ人がますます、オレンジジュースを飲まなくなる可能性があります。

ニューヨークのホテルでは、The Wall Street Journalを読みながら朝食をとる金融関係者の姿をよく見かけます。その光景から、オレンジ色のグラスが消えるかもしれません。
 
 
[August 21, 2014]  No 0105601

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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