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2014/08/14サムスン苦戦、変わるスマホ市場

知人がスマホをサムスンの「ギャラクシーS5」に買い替えました。オンライン口座への小切手の入金が出来ないなどの問題が発生していると聞きました。不具合ではなく、カメラの画素数が1600万画素と大きすぎるため、銀行のシステムが対応できなくなっているようです。妻は1世代前の「ギャラクシーS4」を持っていますが、外見はほとんど一緒です。進化の限界を示唆しているように思います。

スマホをはじめとする携帯端末でアップルとの2強時代を築いたサムスンですが、今年に入り、ネガティブなニュースが増えました。The Wall Street Journalは12日、「サムスン、さらに悲観論」との見出しで、格付け会社フィッチの悲観的な予想や、ウォール街のアナリストが目標株価を引き下げたなどと伝えました。また、日経新聞は先月13日、4-6月の営業利益が3四半期連続で前年実績を下回ったことを報じる解説記事に「サムスンショックが韓国を走る」との見出しをつけました。

サムスンの苦戦の背景には、中国製スマホの躍進があります。Xiaomi 、Huawei、Lenovoなどが急成長しています。考えてみれば、日本の家電はサムスンとLGに負けましたが、今度はサムスンが中国の新興メーカーに追いかけられています。さらに、インドのマイクロマックスやインフォーマティクスも競争力をつけています。

もう一つの背景には、革新性がなくなってきたことがあると思います。ドル箱だった「ギャラクシー」は成熟、他のメーカーとの優位性が薄らいでいます。性能の差がなくなりつつあります。中国製などはサムスンと同じアンドロイドを搭載しています。

エコシステムが異なるアップルですら苦戦しています。アップルは今年9月に、iPhone6とiPadエア2を発表すると噂されています。アップルファンである筆者は待ち遠しいのですが、買い替えるかどうか決めていません。別次元に飛躍するクオンタムリープが期待できず、初代のiPhoneやiPadが発表された際の興奮はありません。

フィッチは、2014年の世界のスマホ出荷台数が12億台になると予想しました。その内、サムスンとアップルの合計台数は4億6000万台に留まるとしています。これは、去年の出荷台数とほぼ同じ、つまり2社の販売台数はこれ以上伸びないとの見通しです。サムスンの世界シェアは、2015年までに31%から25%に低下するとみています。

サムスンは、アップルに先行する形で腕統計型のウェアラブル・コンピュータを販売していますが、苦戦しているようです。個人的には、スマートウォッチはニッチな商品で、メジャーにならないのではないかと予想します。 ライフスタイルを変えるほどの革新的な製品をださない限り、サムスンの苦戦は続くかもしれません。ちょっと気になるのは、スマホ関連の欧米のニュースに日本のメーカーに関する言及がまったくないことです。
 
 
[August 13, 2014]  No 0105595

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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