2分でわかるアメリカ

2014/08/02「お金持ちの掟46」エリート養成

ロンドンのパディントン駅からオックスフォード行きに乗車。スローという駅で乗り換え少し行くとイートンという駅に着きます。郊外の小さい町ですが、エリート養成のパブリックスクールがあることで知られています。

アメリカと違ってイギリスでは、私立校を「Public School(パブリック・スクール)と呼びます。HarrowやWinchester などの有名校もありますが、名門中の名門はEaton(イートン)です。難関のオックスフォードやケンブリッジに多くの卒業生を送り出すエリート養成スクール。海外からの学生も受け入れています。約3分の1は中国人です。学費は高く、日本円で約450万円。イートンに子女を送りだすことがステータスであり、中国の富裕層の掟のようなものです。

場所は変わってロサンゼルス。ダウンタウンの近くに私立大学USCのキャンパスがあります。場所柄、映画スタジオに幹部候補生を多数送り出している他、ビジネススクールの水準が高いことでも知られています。全米の名門校の中で最も海外の学生の受け入れに積極的です。海外からの学生の約40%は中国人。大学院を含めると、その数は4000人にも達します。USCで講師をしている友人は、キャンパスは中国人だらけだと言っていました。いずれも富豪、もしくは裕福な家庭の子女です。リッツカールトンのレジデントなど高級コンドミニアムに住み、高級車で通学する中国人学生も少なくありません。というより多いです。

裕福な中国人は非常に目立ちます。犯罪のターゲットになることもあります。中国人が事件に巻き込まれたり、交通事故にあうケースが相次いでいます。2012年にはBMWに乗った中国人学生2人が射殺されました。今年4月にはフェラーリに乗った中国人学生が事故で死亡しました。先週は、USCの大学院で学んでいた中国人男性が4人のティーンエイジャーに殺されました。ロサンゼルスの中国人コミュニティだけではなく、中国本土でも大きなスキャンダルになっています。

中国人の多さは、ハーバードやMITがあるボストン郊外、コロンビア大学があるニューヨークのアッパーウエスト、スタンフォードがあるパロアルトでも同様です。欧米の名門校が中国人であふれる。一方で、欧米では中国語を勉強する人が増えています。10年後、20年後の世界経済は、中国人が一段と影響力を増している予感がします。

  [August 01 , 2014]  No 0105587

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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