2分でわかるアメリカ

2010/07/28給与を90%カット


カリフォルニア州の南、ロサンゼルス郊外にあるベル市。そこには低所得者が多く住んでいます。ベル市の議会は26日、年9万6000ドル(約835万円)の議員の給与を90%カットし、月673ドル(約5万8000円)にすることを全会一致で採決しました。  

ロサンゼルス・タイムズが先週、「ベル市の職員がオバマ大統領より高い給料を貰っている」と報じ、全米で話題になりました。

オバマ大統領の年収は約40万ドル(約3480万円)ですが、ベル市の総務責任者の年収は倍近い78万7637ドル(約6700万円)でした。また、ベル市警察所長の年収は45万7000ドル(約3975万円)と、ロサンゼルス警察所長よりも50%高額でした。また、市政代行官補佐も37万6288ドル(約3270万円)、市職員の多くが年収10万ドルを超えていました。

さらに、ある市民団体の調べでは、総務責任者の年金給付額が300万ドル(約2億6000万円)を超える可能性があるということです。

ロサンゼルス・タイムズの報道で一気に批判が高まり、総務責任者や警察所長は既に辞職しました。そして、市議会が自らの報酬を90%カットすることを採択したのです。また、ベル市のオスカー・ヘルナンデス市長は、任期最後まで無報酬で働くことを決めました。

ベル市は、日本でベストセラーになった「ルポ貧困大国アメリカ」に登場するようなアメリカの低所得者が集まっている地域です。市民の4分の1は食料の無料配給を受ける貧困層です。当然、税収も低く、市の財政は破たん状態です。

なぜ、この貧しい自治体が全米で一番高い給与を払っていたのか。なぜ、今まで誰も気付かなかったのか、不思議でたまりません。

[July 27, 2010] No 010213

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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